日本でメイドやお手伝い、ベビーシッターを雇ったことがあるという人は、そんなに多くはいないはずです。
しかし、ベトナムに住む日本人にとって、これらの人々を活用することは特に珍しいことではありません。
知らない土地で生活をするにあたって、家事や子育てを手伝ってくれる人の存在は非常に大きいもので、その活用方法次第では海外生活をより充実したものにすることができます。
今回はベトナムに渡航を考えている方に向けて、メイドやベビーシッターの現状と活用方法を、 私自身の経験を踏まえてご紹介します。
日本人はメイドを雇う人が多い?
日本ではなかなか想像できないのですが、ベトナムではその気軽さから、メイドやベビーシッターを雇う日本人が比較的多くいます。
日本でこれらの方を雇うとなると、時給は1500~2000円近くが相場ですので、支払うべき給料は非常に高額になりますが、ベトナムでは時給が日本の1/3以下であることが多く、月に1~2万円の支払いから気軽に利用できます。
メイドの中には、日本語が話せたり、日本料理が作れたり、20年以上日本人家庭で勤めているという方もいます。
メイドを雇うことで、ベトナムでの掃除・買い物などの不便や、子供を遊ばせる不便から解放されます。
気軽に雇えるメイドに家事や育児をお願いし、他のことに集中して日常を送ることが可能なのです。
慣れない海外生活の中、自分の心に余裕を作るためのメイドの雇用は、コストパフォーマンスがとても良いと私は感じています。
メイドの仕事・費用
メイドと言っても、一体何をしてくれるのか、どんな風に頼ればいいのか、なかなか想像ができないと思います。
私の経験も踏まえて、リアルな実情をお伝えします。
メイドにお願いできること
メイドにお願いできることは主に以下のとおりです。
・洗濯
・アイロンがけ
・料理
・片付け
・子供の世話
上記以外にも、整理整頓、買い物や買い物の付き添い、子供のお迎えや習い事の送迎など、多岐にわたる仕事をお願いすることができます。
私が上記以外でメイドさんに手伝ってもらったことで役立ったことは、
・小包の発送
・子供の病院の付き添い
・忘れ物を届けてもらう
というような細かな内容もあります。
メイドはプロですので、家事や育児をとても手際よくこなす人が多くいます。
また、日本人家庭に長く勤めていたことのある方だと、日本人の感覚や味覚などまでしっかりと熟知してくれています。
彼女たちはベトナム人であり、ベトナムで暮らしているため、当然ですがやはり私たち日本人よりもこの国での暮らしに精通しています。
そのため、ちょっとした困りごとなどもパパッとベトナム語で話して解決してくれるのが、本当にたくましく、頼りになっています。
メイドを雇うための費用
気になる費用なのですが、メイドのできる仕事内容や住んでいるエリアで彼女らの時給は少しずつ異なります。
時給の相場は60k~120kくらいかと思います。
掃除しかできない、ベトナム語しか話せない、エリアを限定してしか働けないという人は時給が安い傾向にあります。
それとは反対に、家事も育児もできて、日本語も話せる、日本料理も作ることができる、となると時給は100kを超えることがほとんどです。
また、夕方以降の時間や休日に勤務をしてほしい場合には、時給がアップする可能性があります。
ご自身の予算に合ったメイドを探すようにしましょう。
メイドの見つけ方
メイドを雇ってみたい!
そう考えた時に、次に問題となってくるのが、どうやって条件に合う人を探すのかということです。
以下のような方法で条件の合う人を見つけられますので、参考にしてください。
知り合いからの紹介
日本人がメイドを見つける時に1番多いパターンがこちらです。
帰国やその他の事情でメイドが不必要になった場合、次の雇用先を探してほしいとメイドから頼まれることもあって、メイドの紹介はときどき知人から声が掛かります。
また、知り合いのメイドに「いい人がいないか紹介して」と依頼すると、見つけて紹介してくれることもあります。
周りにメイドを雇っている人がいたら、まずは聞いてみるのがいいでしょう。
タイミングが合えば、すぐに条件に合ったメイドを見つけることも可能です。
Facebookや掲示板の活用(ハノイ・ホーチミン)
Facebookや掲示板で、メイドの募集を投稿したり、紹介投稿を探すことも可能です。
以下に参考ページを掲載しておきます。
<ハノイ>
Facebook:Hanoi Parent Group
<ホーチミン>
日本式メイド派遣サービス:さくら介護ベトナム
清掃員派遣サービス:Ayasan
Facebook:Expat Domestic Help Saigon
<ベトナム全域>
ベトナム情報掲示板:ポステ情報掲示板
ハノイのFacebookのページは、現地に住む外国人のコミュニティになっています。
その中では、さまざまな投稿がされていますが、メイドの募集を呼びかけることもできます。
私の友人も、このページで呼びかけて、たくさんの応募を受け取っていました。
また、ハノイには日本人コミュニティの<LINEガレージセール>というLINEグループもありますが、人数が常時500名の満員状態のため、グループを抜ける方からの紹介制でのみ入会できます。
(このガレージセールコミュニティで、メイドの募集や紹介をするという方法もあります。)
また、ホーチミンには、メイド派遣サービスを行なっている会社もあります。
日本人向けにしっかりと教育されたメイドを簡単に安心して雇えることが利用のメリットです。
個人宅のみならず、企業でも活用されているようです。
このように掲示板やSNS、専門業者を活用してメイドを探す場合、条件をしっかりとこちらから提示することができるので、事前にマッチする人を限定できることがメリットです。
ただしSNSでは、条件が合わないのに応募してきたり、さまざまな人とのやりとりが発生しますので、みんなが良い方であるとは思わない方が良いでしょう。
どんな人が来るかわからない、と最後までしっかりと警戒することが大切です。
メイドを雇うメリット・デメリット
メイドを雇うにあたって、どんなメリット・デメリットが発生するのかをしっかり理解しておくことは非常に大切です。
私自身や周囲の友人などのリアルな声も含めてご紹介します。
メリット
自分の時間が増える・慣れない土地での暮らしのストレスが減る
メイドに家事や育児を一部委託することで、自分の時間が増えるというのは、主婦やお勤めの方にとって、1番のメリットです。
ただでさえ慣れない海外での暮らし。
日本と同じように物事が進むことはなかなかありません。
そんな時に、家事や育児もしっかり日本に住んでいた頃と同じようにこなそうとすると、心に余裕がなくなって、少しのことでも悩んでしまったり、気持ちが晴れないことが多くなってしまうと思います。
自分の時間をしっかりと確保して、心にゆとりを持つことが、海外生活を楽しく過ごすポイントなのだとベトナムで暮らしてみて強く感じます。
低価格で取り入れることができるサービスですので、コストパフォーマンスも高いメイドの活用を気軽に検討してみることをお勧めします。
新鮮な食材での料理・面倒なメニューもお願いできる
メイドに買い物をお願いすれば、日本人では買い物が難しいようなローカル市場で、新鮮な野菜やお魚を買ってきてくれます。
やはり、現地の人はどこのお店が美味しい、品質が良いというのをよく知っています。
また、料理のできるメイドであれば、自分以外の人のおいしい料理を食べられるというメリットもあります。
面倒な揚げ物やフルーツの盛り合わせなども、快く引き受けてくれると思いますので、家事の負担を減らすことができます。
いざという時に助けてくれる人がいる
ベトナムでの暮らしは、時々どうしようもならないことに直面することがあります。
例えば、詐欺やぼったくりの被害に合いそうになってしまったり、配達をお願いした荷物が届かなかったり、電話口で一方的に怒鳴られたり・・・。
英語で説明をしても、ベトナム語しか話せない現地の人は多くいます。
それに、内容が複雑化すると、英語で伝えることも難易度が高くなっていきます。
そんな時、日本語が話せたり、自分の気持ちを汲み取ってくれるメイドがいたら、ベトナム語でしっかり相手方と話して解決してくれることがあります。
私自身、何度も助けられてきました。
メイドにもよるとは思いますが、ある程度の期間雇っていれば信頼関係もできてきますし、基本的に親切な人が多いベトナムなので、助けてくれることと思います。
信頼できるベトナム人の人が一人いるというだけで、少しのトラブルでも安心することができます。
子供が通園する際に馴染みやすくなる?
メイドにベビーシッターをお願いする場合、子供が親以外の大人の世話に慣れてくれるというメリットがあります。
日本でも同じことが言えますが、幼稚園や保育園に通い始める時、子供たちはその環境に慣れるまでに時間がかかるものです。
それに加えて、ベトナムではベトナム人やその他の外国人の先生が園に所属していることが多いため、敏感な子供たちは非常に驚いてしまうことでしょう。
小さな頃からベトナム人のベビーシッターに世話をしてもらっていると、そういった場面に直面した時に、馴染みやすくなるというメリットがあります。
子供の性格や特徴にもよりますので、一概には言えませんが、小さいうちから親以外の信頼できる大人ができるというのは、子供にとって大きなメリットなのではないかと私は考えています。
デメリット
金銭トラブルが発生する可能性がある
私含め、時々発生するメイドとのトラブルの一つが、金銭に関わることです。
業者を介して依頼する場合には、この辺りはクリアな設定になっていると思いますが、個人で雇う場合には、双方でしっかりと確認しておくことが大切です。
・交通費の請求はあるのか
・病欠の場合は給与はどうなるのか
・ボーナスや退職金は発生するのか
このようなポイントでトラブルになる可能性があります。
日本人が時給と聞くと、働いた分だけを支払うイメージですが、ベトナムでは国民の休日や、雇い主側の事情(一時帰国や旅行など)で休みにする場合、給料は発生するという条件のメイドが多いです。
また、テトの季節にはボーナス(一般的には給与1ヶ月分)が発生したり、解雇する際には退職金が発生したりする場合もありますので、双方でしっかりと確認をしておくようにしましょう。
稀なパターンにはなりますが、時々メイドによる盗難の被害も聞きます。
信頼していても、あくまで他人ですので、貴重品は自宅のわかりやすい場所に置かないようにしましょう。
もし被害に気づいた場合には、はっきりと伝えて解雇することが大切なポイントです。
指示を全て出すことがストレスになる
他人に仕事の指示を出すというのは、思っているよりもストレスになる場合があります。
細かな指示をしなくても、手際良く動いてくれるメイドもいますが、指示したことしかできないという人もいます。
日本人は、「見て覚える」「自分で仕事を探す」ということを訓練されることが多いですが、ベトナム人に同じことが通じるとは限らないと思った方が良いでしょう。
やってほしいことをしっかりと伝え、ダメなところがあればはっきりと指摘する。
この繰り返しでメイドも仕事を覚えます。
このような作業が億劫だと感じる場合には、日本人家庭に慣れた方を紹介してもらうか、日系企業を介してメイドを探す方が良いでしょう。
文化の違いからくるストレスを感じる場合がある
いくら日本人向けの仕事ができると言っても、メイドはベトナムで育ったベトナム人です。
文化の違いを感じるときは、私自身にもあります。
細かく全てを気にしていると、外国人のメイドを雇うことは少し難しいのですが、どうしても気になるポイントがある場合にははっきりと指摘するようにしましょう。
ベトナムでは日本人の方が少数派なので、全てを日本式に照らし合わせるのではなく、この土地の文化を理解する姿勢も大切だと思います。
出費が増える
コストパフォーマンスの高い、ベトナムのメイドサービスですが、それでも出費が発生することは事実です。
価格に対してメリットが感じられないという場合には、その出費を他のことに使った方が有意義ですよね。
メイドを雇う前にご自身の家計の中でいくらだったら出費できるのか、その出費でどのような仕事をしてほしいのか、しっかりと考えることが大切です。
メイドを雇うための注意点
これからメイドやベビーシッターを雇うことを検討している方に向けて、注意した方が良いポイントをまとめてお伝えします。
メイドと良い関係を作ることができるように、以下の点には気をつけるようにしましょう。
必ずトライアルをする!
条件が合うメイドを見つけても、すぐに雇用することを考えないでください。
基本的にはトライアルをして、双方の相性や条件を確認することが一般的です。
トライアルの期間は1週間程度が適正かと思いますが、不安な場合には少し延長ができるかどうか相談しても良いと思います。
私自身、トライアルで合わないと感じた人とは契約を結びませんでしたし、友人でもそのような人は多数います。
トライアル期間に少しでも気になることがあれば、メイドに確認をしたり、雇用を見送るという勇気も必要です。
留守の自宅を任せたり、家の中を完全に曝け出す相手になるということを忘れずに、妥協しないで雇用を検討することが大切です。
契約内容は書面で残しておく
契約内容(雇用時間、時給、有給休暇、ボーナス、退職金など)については必ず契約合意時に書面で保存しておきましょう。
どんな人でも、時が経過すると忘れてしまったり、勘違いをしてしまうことがあります。
お互いに言った言わないというトラブルを避けるためにも、形に残るようにしておくことが大切です。
あくまでも他人、信用しすぎない
だんだんメイドとの仲が親密になってくると、ついつい信頼し過ぎてしまう瞬間もあるかと思います。
しかし、メイドに嘘をつかれた、メイドが仕事をサボっていた、メイドに盗難されたかもしれない・・・・
このようなショックな出来事も私は聞いたことがあります。
どんなにいい人であっても、メイドは家族ではなくあくまで他人だということを忘れずに、信頼しすぎないようにしましょう。
例えば、留守中は貴重品はしまっておく、仕事の指示をしっかり出しておく、必要に応じて監視カメラなどを取り付けるというような対策をしっかりと行うことが大切です。
してほしいこと、してほしくないことを明確に伝える
日本人は、はっきりと物事を伝えるのが苦手だと言われていますが、ベトナム人や外国人との雇用関係において、「言わないでもわかってほしい」「察してほしい」という考えは持たない方が良いでしょう。
生まれ育った国も文化も違う相手なので、文章や口頭でしっかりと伝えないと、自分の気持ちはなかなか伝わりません。
メイドにやってほしいこと、やってほしくないことははっきりと伝えるようにしましょう。
雇用して最初のうちは、良かったところ・悪かったところをフィードバックとしてメッセージしてあげると、相手もこちらのことが理解しやすくなり、お互いに安心できるようになると思います。
まとめ
ベトナムでのメイドやベビーシッターの活用方法をご紹介しました。
見知らぬ人、さらに外国人やベトナム人を雇用して、信用するというのはなかなか難しいことに感じられると思います。
しかし、一度メイドをうまく活用できるようになると、海外生活が一気に楽しく充実したものになるはずです。
極端に経験の浅い人を除けば、メイドはプロフェッショナルな方が多いと私は思っています。
言語が理解できれば、もちろん理解は深まりますが、たとえそれが分からなくても、雇用主の必要とする仕事をプロとしてしっかりこなしてくれる人が多いはずです。
メイドの活用を視野に入れている方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
不安や心配が少しでも軽くなり、素敵なメイドと出会えることを祈っています!