【徹底比較】ベトナム旅行(出張)にはeSIMとモバイルルーターどちらが良い?

ベトナムに限らず、海外に出向く際には、通信手段をどのように確保するのかは必ず考えるべき問題の一つです。

現代では、スマートフォンやパソコンを利用するための通信手段は、世界中どこにいても必須となっています。

ベトナムは途上国ではありますが、スマートフォンの普及率は63.1%と高く、これは世界第10位の水準。
そのため、スマートフォンがないとレストランで注文できなかったり、配車アプリが使用できなかったりと大変不便です。

今回は、ベトナムで通信手段を確保するためにはeSIMが良いのか、モバイルルーターがいいのか、初めてベトナムに行くという方や初心者の方にもわかりやすく解説いたします。

eSIMとモバイルルーターって何?

そもそもeSIMって、モバイルルーターって何?

今さら聞けないそんな疑問を、まずは解消しましょう。

eSIM

eSIM(イーシム)とは、「embedded SIM(エンベデッド SIM)」の略で、物理的なSIMカードを使わずに、スマートフォンやタブレットなどのデバイスに組み込まれたデジタルSIMのことです。

通常、モバイルショップなどで電話番号を発行してスマートフォンを使用する際にはSIMカードが必要です。

ショップで実際に店員さんが小さなカードを端末に挿入しているところを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

eSIMはそのような物理的なカードは不要で、QRコードを読み取ったり、キャリアのアプリを使ったりするだけで、通信プランを設定できます。

また、1つの端末で複数のeSIMを登録できるため、仕事用・プライベート用や、国内・海外用の回線を切り替えることが可能で、筆者も日本のキャリア回線とベトナム回線をどちらも活用しています。

特に海外に行く際には、現地の通信キャリアのeSIMを購入し、すぐに使うことができるので、多くの人々に利用されています。

eSIMを利用するにあたって、中にはeSIM非対応のキャリアや端末もありますので、利用の前に確認しておくことが大切です。

日本で簡単にネット購入することが可能ですが、ベトナムの空港到着ゲートを抜けると数社のeSIM販売店も並んでいるため、そこで簡単に購入することもできます。

日本語で、日本のショップから事前に購入する方法が一番簡単ですが、長期滞在する場合はベトナム現地購入が非常に安くおすすめです。

モバイルルーター

モバイルルーターとは、携帯電話の通信回線(4Gや5G)を利用して、Wi-Fiを飛ばし、スマートフォンやパソコン、タブレットなどをインターネットに接続できるデバイスのことです。

Wi-Fi環境がない場所でもネットに接続が可能で、移動中や外出先でも安定した接続ができるメリットがあります。

一般的には、5~10台程度のデバイスを同時にWi-Fi接続が可能なので、ノートPC、タブレット、スマホ、ゲーム機などをまとめて接続できます。

今では、空港などにもモバイルルーターの発行機械が設置されており、無人で気軽にレンタルすることも可能。

ベトナム現地でモバイルルーターをレンタルするのは、手続きの難易度が高くお勧めできません。
(そのようなショップも多くありません)

モバイルルーターを利用する場合には、日本国内で郵送などでレンタルをしてからベトナムに持ち込み、帰国後に日本で返却する方法が最も簡単でしょう。

eSIMとモバイルルーター比較

それでは、ベトナム旅行や出張で使用する場合には、eSIMとモバイルルーターのどちらが良いのでしょうか。

それぞれの項目に分けて2つを比較してみましょう。

利用開始までのステップ

eSIM

eSIMは、日本でネット注文などから事前に購入するか、ベトナムに入国してから購入する方法があります。

日本でネット注文した場合、eSIMの登録に必要な情報やアプリ情報が送られてきますので、そのマニュアルに沿って手続きします。

手続き完了後、5分くらいですぐに利用できるようになります。

ベトナムで購入する場合は、空港や街中のショップで購入できます。
この際、パスポートの提示は必ず必要ですので、忘れないようにしましょう。

空港や観光市街地のショップでは英語が話せるスタッフがいるはずですが、街中のショップではベトナム語しか通じないこともあります。
スマートフォンの通訳機能はネット接続がないと利用できないこともありますので、注意しましょう。

手続きは30分ほどで終わるはずです。

①eSIM購入の旨を伝える
②パスポートや個人情報の提示
③何日間滞在するか伝える
④候補があれば電話番号を選択する
⑤店員さんがeSIMの設定をする

一般的にはこのような流れで手続きが完了し、完了次第5分以内にインターネット通信と電話番号が利用できるようになります。

モバイルルーター

モバイルルーターは日本のショップでレンタルするのがおすすめなので、フライト前に手続きを済ませる必要があります。

多くの場合、申し込みは事前にインターネットで行えますので、15分くらいあれば申し込みはできるでしょう。

配達の場合、当日〜2,3日で自宅に届くことになります。

空港での受け取りをする場合は、フライトの2,3時間前には手続きを済ませておくのが安心でしょう。
プランを選択したり、支払い、説明を聞く手続きは15分もあれば可能なはずです。

時期によっては、受付カウンターが混み合っている場合も考えられますので、余裕を持って手続きを行いましょう。

荷物になるかどうか

eSIM

eSIMは一度端末に登録が完了すれば、スマートフォン以外に何かを持ち歩く必要はありません。

そのため、荷物は全く増えませんので、身軽に旅行や出張を楽しむことができます。

モバイルルーター

モバイルルーターは携帯していないと、インターネット接続を利用することができません。

また、モバイルルーターのバッテリーがなくなってしまうと、全く活用できなくなってしまうため、本体と一緒に充電ケーブルも持ち歩く必要があります。

これらの荷物はスマートフォンよりも嵩張ることが多いので、荷物は通常に比べて増えてしまいます。

使える容量と価格

まずはご自身がどれくらいの量のデータを利用する予定なのか、下記の表を参考にしてください。

<利用データ量目安>

Webページ
閲覧
LINE
音声通話
Instagram閲覧 Youtube視聴 GoogleMap検索
300MB/1日 370ページ 6時間 30分 10分 95回
500MB/1日 700ページ 10時間 50分 17分 160回
1GB/1日 1400ページ 20時間 100分 34分 320回

eSIM

ベトナムのeSIMの一般的な価格は次のとおりです。

5日間 30日間
日本のサイトで購入 1GB 890円
無制限 1300円
10GB 3990円
ベトナム現地購入 プランなし 15GB 90.000VND(約540円)
60GB 120.000VND(約720円)
(事務手数料別途50.000VND)(約300円)

日本のサイトで購入する場合、細かく日数や利用容量によってプランを選ぶことが可能です。
また、ベトナムだけではなく、アジア各地、全世界で使えるeSIMもありますので、トランジットの際や数カ国周遊にも便利です。

ベトナム現地購入をする場合は、基本的に30日間の利用プランを契約することになります。
それでも非常に安いため、長期滞在の方には間違いなくこちらの方法がおすすめです。

モバイルルーター

モバイルルーターの一般的な価格は次のとおりです。

1日あたり 5日間 30日間 送料
A社 300MB 349円 1.5GB 1,745円 9GB 10,470円 送料無料
B社 300MB 570円 1.5GB 2,850円 9GB 17,100円 別途支払い
C社 500MB 630円 2.5GB 3,150円 15GB 18,900円 別途支払い

モバイルルーターは1日あたりの料金で計算されることが多く、このような金額になります。
中には1ヶ月毎のレンタルを行っているお店もあります。

モバイルルーターは同時に複数の端末を接続することができるので、パソコンやゲーム機も接続できると考えれば、料金の違いにも納得できるでしょう。

メリット・デメリットまとめ

eSIM

<メリット>
・電話番号での通話ができる
・手続きは5分程度で終わり、手続き後5分以内に利用できる
・配車やデリバリーアプリのダウンロード、利用ができる(現地電話番号があるため)
・追加の荷物なく利用ができる
・長期利用の場合には特に価格が安くなる(現地購入の場合)

<デメリット>
・使用量を超えてしまうと、利用期間中の通信速度が落ちる
・同時に複数端末を接続する場合にはテザリング機能の利用が必要
・セキュリティリスクがある

モバイルルーター

<メリット>
・WiFiの機器に電源を入れて、簡単な設定をするだけで利用ができる
・複数の端末を同時に接続することができる
・モバイルバッテリーとして利用できる機種もある
・容量の計算が1日毎なので、使い過ぎた日があっても翌日にはリセットされて通信速度が回復する

<デメリット>
・荷物が多くなってしまう(スマートフォンよりも嵩張る)
・電池がなくなると使用できなくなる
・価格が高く、長期利用になると非常に高額になる

ベトナム在住者である私のおすすめはeSIM!

以上のさまざまなポイントから、実際にベトナムに住んで4年の筆者はeSIMをおすすめしたいと思います!
その理由を在住者目線からお答えします。

ベトナムの電話番号が手に入る!

私は長期滞在だからということもありますが、やはりベトナムの電話番号は持っていると便利な場面が多いからです。

ベトナムで、お店やレストランに行く際、そのお店の情報はインスタグラムやフェイスブック、Googleマップで見つけることができます。
質問がある場合や予約をしたい場合、DMを送ることもできますが、お店によってはチェックしていない場合もあり、返信まで時間を要します。

すぐに返答をもらいたい時など、電話で尋ねられると便利です。

英語やベトナム語が通じなくても、ひとまず電話番号さえ伝えれば、SMSやZalo(ベトナムのメッセージアプリ)での続きのやりとりも可能になります。

またタクシー、配車アプリの利用にもベトナムの電話番号が必須ですので、eSIMで電話番号を得られると、お得に移動が可能です。

ベトナムのeSIMの価格は激安!

SIMカードを買うとなると少し大ごとのように感じてしまう人も多いと思いますが、eSIMは使い方や価格も非常に気軽なものです。

ベトナムのeSIMは1ヶ月使用しても1,000円に満たなかったり、他と比較するまでもないほどに激安です。

価格の面で、1ヶ月以上の滞在の方はeSIMの利用が断然お得です。
1週間程度の滞在の方にとっては、有効日数が無駄になってしまう感じはありますが、それでもお得で便利なので、おすすめできます。

2,3日の滞在の方はモバイルルーターも検討に入れてみるのが良いと思います。

まとめ

今回は、ベトナムに出張や旅行で滞在する場合、eSIMとモバイルルーターのどちらが適しているのか、解説しました。

それぞれにメリット・デメリットが存在しますが、eSIMの利用は世界的にみても非常に気軽な手段となってきています。

客観的にそれぞれの特徴やメリットデメリットをお伝えし、さらにベトナム在住者としての意見も盛り込みましたので、通信手段を選ぶ際の参考になっていましたら幸いです。

 

 

 

 

 

現地在住ライター紹介
この記事を書いた人
ベトスカウト応援スタッフ「Kana」

現在は夫の帯同でベトナム・ハノイ(ホータイ区)に在住。3児(小学生~2歳)のママ。
大阪市立大学商学部を卒業後、大手百貨店総合職で勤務。WEBライター歴6年。

2018年より経営したキッズスペース兼ワークショップスペースを2023年にM&Aにて売却。

好奇心旺盛で多趣味なことには自信あり。
ベトナム、ハノイの情報を主婦目線、ママ目線でお届けしていきます!

(運営:THANK ASIA CO.,LTD/サンクアジア:厚生労働大臣許可番号27- ユ- 304568)

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