ハノイの治安と安全対策|現地在住日本人が教えます!

ハノイ生活情報

ベトナムに渡航する予定の日本人にとって、最も心配なポイントは治安や安全対策だと思います。

日本はアジア諸国、世界中で見ても非常に安全で秩序の保たれた国の一つです。
その治安の良さは世界トップクラスと言われています。
そのため、多くの日本人が外国で暮らす際、その治安の悪さや危険性に驚くことがあります。

今回の記事では、これからベトナム、特にハノイ渡航を考えている方に向けて、ハノイ在住2年以上の筆者がその治安の様子や安全対策について情報をお伝えします。

ハノイの治安はどうなのか?

ハノイといえばどんな街をイメージしますか?

筆者がまず最初にベトナム・ハノイに来て最初に感じた感想は以下のようなものでした。

  • バイクが多い!
  • クラクションうるさすぎるー!
  • ゴミが多い
  • 道が狭い
  • みんなの声が大きすぎる
  • 蒸し暑い

これらの感想はこれから渡航してこられる方々も日本人ならもれなく感じるものかと思います。

治安についてはやはり、外国、そして東南アジアなので、最初のうちはしっかり気をつけるようにしていました。

しかし、2年半ハノイで暮らしてみて筆者は大きな犯罪に巻き込まれたことがなく、周囲の友人も、大きな犯罪に遭ったという人は今のところ聞いたことがありません。

住んでみて感じるのは、「ハノイは治安が比較的いいな」ということです。

女性の日中の一人歩きは基本的には問題ありませんし、銃声が街で鳴り響くなんてことも決してありません。
街中で怖い人や事件に遭遇したこともありません。

しかし、小さなトラブルには筆者も巻き込まれたことがあります。

この辺りも踏まえて、ベトナム・ハノイの治安について考えてみたいと思います。

外務省からの情報

外務省から発信されているベトナムの治安情報は以下の通りです。

ベトナム国内における2022年中の犯罪件数(ベトナム公安省発表)

【犯罪件数】
○犯罪発生件数: 44,353件
被逮捕者数: 76,658人
○経済犯罪検挙件数: 5,772件
○薬物犯罪検挙件数: 25,937件
薬物犯罪被逮捕者数: 36,126人
薬物押収量:ヘロイン741キロ、合成麻薬4.7トンと20,000錠、マリファナ268キロ等

近年の経済発展による貧富の差の拡大や地方貧困層の都市部流入等に伴い治安状況は悪化傾向にあります。
現在のところ、殺人、強盗等の凶悪犯罪の発生は少ないものの、外国人住宅への忍び込み、繁華街周辺でのひったくり、スリや置き引き等が発生しています。
日本人旅行者も、観光地、市場、路上等で旅券、現金などの貴重品を盗難に遭うケースが頻繁に報告されています。

引用:外務省ホームページより

数字を見てもあまりパッとしませんが、東南アジアの中で治安の良い国ランキングにハノイはトップ3位に入ると言われています。

世界の治安を物価水準や交通費、医療水準、犯罪率、環境汚染などから測るNUMBEOのランキングによると、アジア地域で東京は12位、大阪は34位、ハノイは44位に位置づけられています。

この数値から見ても、ハノイは治安の良い方の都市に属することがわかるでしょう。
テロのなどの危険情報も現在ベトナム全域で発信されていません。

ハノイの犯罪

ハノイでは、殺人などの重犯罪は少ないと言われていますが、ひったくりやスリなどの軽犯罪は日本よりも高く発生しています。

日本ではスマートフォンや財布を落としても交番に届けられていることが多くありますが、ハノイではこのような対応は望めないと思った方が良いでしょう。

盗難やスリは私自身を含め、周囲の日本人でも被害に遭った方がたくさんいます。

軽犯罪についての安全対策は日本よりも入念に行う必要があります。

ハノイで危険なエリア

ハノイの中でも、以下のエリアは犯罪率の高いエリアと言われています。

  • ・旧市街、ホアンキエム湖周辺
  • ・ターヒエン通り
  • ・ロンビエン橋

旧市街、ホアンキエム湖周辺

このエリアは観光客が最も多く、ハノイの中心地です。

そのため、観光客を狙ったスリや盗難被害が後を絶ちません。

筆者の友人の中で被害が多いのはiPhoneの盗難。
このような犯罪グループはチームで一緒に行動することが多いようなので、別のことに気を取られた隙に盗難に遭うことがあります。

ターヒエン通り

ターヒエン通りは旧市街の中でも1番賑わっている繁華街です。
居酒屋やバーも多く、夜は非常に人が多く集います。

スリやぼったくり、違法賭博といった犯罪に巻き込まれることが多いので、注意しましょう。

ロンビエン橋

エッフェル塔を横にしたようだとも言われるロンビエン橋は昼間はフォトスポットにもなる人気の場所です。
しかし、夜になるとその雰囲気は一変、アルコール中毒者や薬物使用者が集う場所になっているようです。

近年、警察による対策は強化されているようですが、特に夜にはロンビエン橋には近寄らないようにしましょう。

宿泊におすすめのエリア

ハノイで安全に宿泊するには以下のエリアがおすすめです。

  • ・ホアンキエム湖周辺
  • ・タイ湖周辺

ホアンキエム湖周辺は、一部上記のように危険な場所がありますが、しっかりと安全対策をして出かければ、観光地がたくさんある便利なエリアです。
そのため宿泊に最もおすすめのエリアです。

筆者撮影

タイ湖周辺はハノイ市内の中でも静かで治安が良く、外国人が住むのに人気のエリアです。
長期滞在する場合はおすすめしたいエリアです。

ハノイでよくあるトラブル

筆者含め、日本人在住者がハノイで実際によく巻き込まれるトラブルの例をさらに具体的に紹介します。
このような事例が発生しているということを事前に知っておくことでしっかり対策を行うことが大切です。

ひったくり・スリ・置き引き

ひったくりやスリ、置き引きはハノイで一番日本人が遭遇しやすい軽犯罪でしょう。
幸い、筆者は遭遇したことがありませんが、スマートフォンや財布など、周囲の友人の中でも被害に遭った人は何人もいます。

このような被害は、人の多い場所、ショッピングモールや繁華街で発生することが多くあります。

犯罪者たちは、被害者が買い物や景色に夢中になっている時を狙ってきますので、荷物はしっかりと体に身につけ、簡単に出し入れできるようなバッグはなるべく避けましょう。

グループで犯行を仕掛けてきますので、物を落としたり、話しかけられた際にもしっかり注意しましょう。

日本でよく使用されている、スマートフォンのストラップや簡単に開けられるポーチ、口の開いたトートバッグは特に危険です。

また、荷物を座席に置いて移動する、荷物で席取りをするという、日本ではよく見かける光景もハノイでは危険です。
当たり前ですが、ハノイでは少しの間も大切なものを置きっぱなしにしないようにしましょう。

少し目を離した一瞬の隙に盗まれてしまいます。

ぼったくり

ぼったくり被害もハノイでよく被害を聞くトラブルの一つです。

実は筆者も被害に遭ったことがあります。

日本人だから、観光客だからという理由で、相場の金額の10~20倍の金額を請求してくることがあります。

例えば、ホアンキエム湖では、「靴磨き」をしてあげようか?という誘いをたまに受けます。
少しくらいならいいかと靴を預けてしまうと、底のゴムを付け替えただけで4000~5000円相当の金額を請求されてしまいました。

筆者は支払わない!と強気で応対し、さらに電話で信頼できるベトナム人の人に助けてもらうことができました。

場合によっては、支払いを拒否しても靴を返してもらえないため、泣き寝入りで支払ってしまう場合や、ベトナムドンだと相場がわからず支払ってしまう場合があるようです。

実際に筆者が被害にあった際の様子

その他でのパターンでは、支払い時にお札の種類をわかっていないことで、一番高い紙幣を店員に持っていかれたり、バーやタクシーなどでの請求金額が異常に高いなどがあるようです。

日本人は見知らぬ人に声をかけられると、ついつい答えてしまいますが、ハノイでは知らない人からの声かけは無視するのが一番です。
紙幣の種類と金額は渡航前にしっかりと予習しておきましょう。

また、タクシーに乗るときにはGrabなどの事前に金額が約束されるアプリを使用するか、ドライバーと事前に金額を約束することが大切です。

財布や現金から大量の紙幣を見せるのもNGです。

ベトナムドンは最高額紙幣でも50万ドン(=約3000円)なので、日本人が5万円、10万円を両替すると、ベトナムの人にとっては相当な金額になります。
少しずつ両替をするか、高額な現金を持ち歩くことは極力避けましょう。

盗難

残念ながら盗難もよくあるトラブルの一つです。

ハノイでは、サービスアパートメントという掃除などのサービスがついたレジデンスに住むことも多く、その他メンテナンスなどでも自宅に他人が出入りすることがあります。

この際に化粧品や現金、貴金属などを盗難されたという被害をよく聞きます。

日本だと出しっぱなしにしていて安全なものも、盗難に遭う可能性があると警戒して、大切なものは金庫などの鍵のかかる場所へ保管するようにしましょう。

新興宗教(寄付)への勧誘

新興宗教などの怪しい勧誘にも警戒が必要です。

筆者自身も経験がありますが、人目の少ない場所で片言の日本語や英語で突然話しかけられます。

最初は「日本人ですか?」や「日本が大好きです」など、親しみやすい内容で話しかけてきますので、悪い人に思えなくなり、次第に勧誘されていると感じてもなかなか断りづらくなります。

対処法としては、知らない人に話しかけられても最初から対応しないというのが1番です。

安易に話を聞かないようにしましょう。

詐欺

ハノイでの詐欺被害は、SMSメッセージやチャットアプリから始まることが多いようです。

筆者自身も、よくベトナム語で電話がかかってきたり、メッセージが来たりしますが、知らない番号は全て無視するようにしています。

偽物のスマートフォンを売りつけられたり、お金を貸してくれと言われたり、その種類は様々です。

最近、日本領事館から注意喚起があったものでは、酒場や道で「日本のお金を見せてほしい」と言われて、見せるとそのまま持ち逃げされたというパターンです。

どのパターンも、優しい人の心につけ込む悪質なものですので、安易に相手を信じない、知らない人は警戒することが大切です。

性被害

ハノイでの性被害は日本領事館からも注意喚起が行われています。

最近通達のあったものは、旧市街のマッサージ店でマッサージ師による性被害を受けたというものでした。

その他、外国人女性を狙った性被害もここ数年で報告されています。

女性の夜道の一人歩きはしっかりと警戒するようにし、可能な限り夜道の一人歩きは避けるようにしましょう。

トラブルにあったらどうする?

以上のようなトラブルに見舞われた際、私たちのできることは以下の通りです。

  • ・周囲の人に助けを求める
  • ・知人の信頼できるベトナム人がいれば相談する
  • ・警察に通報する

ここまでの被害内容を聞いて不安に感じる方も多いかと思いますが、ベトナム人はみんなが悪人というわけではありません。

筆者の体感では、優しい人もとても多く、人助けしてくれる人もとても多いです。

裏切られた、騙された時のショックは大きいものですが、同じベトナム人だとスムーズに助けてくれることもあります。
実際に私は被害にあったとき、別のベトナム人に助けてもらいました。

軽犯罪の場合には特に、信頼できるベトナム人がいたら相談してみるか、本当に困ったときには周りの人に声をかけてみてください。
きっと優しいベトナム人が手を貸してくれるはずです。

また、警察に連絡したい場合には113で電話をかけられます。
その他、相談窓口は以下の通りですので、しっかりとメモしておきましょう。

◎在ベトナム日本大使館 TEL:024-3846-3000
◎ハノイ市警察(公安) TEL:069-219-4183
(24時間窓口) TEL:069-2196-777
◎ハノイ市交通警察 TEL:069-2196-779
◎ハノイ市出入国管理局 TEL:024-3825-7941
(24時間窓口) TEL:024-3826-0114引用:外務省ホームページより

まとめ

ハノイの治安について説明しました。

ハノイは世界、東南アジアで見ると、比較的治安が良い方ですが、日本と比較するとやはり治安の面での不安は残ります。

ひったくりやスリ、ぼったくりなどの軽犯罪が多く、外国人である日本人は特に標的になってしまう機会が多いです。

このような被害に遭わないための対策として以下のポイントにしっかりと気をつけましょう。

・知らない人からの話しかけには応じない
・嫌な時ははっきりと強い口調で断る
・夜道の一人歩きは極力避ける(特に女性)
・物価の相場、為替をしっかりと把握しておく
・高額な現金は持ち歩かない
・貴重品や手荷物には気を付ける(自宅でも)
皆さんのハノイでの生活が、このような被害に遭うことなく充実したものとなるように、参考にしていただけますと嬉しく思います。
現地在住ライター紹介
この記事を書いた人
ベトスカウト応援スタッフ「Kana」

現在は夫の帯同でベトナム・ハノイ(ホータイ区)に在住。3児(小学生~2歳)のママ。
大阪市立大学商学部を卒業後、大手百貨店総合職で勤務。WEBライター歴6年。

2018年より経営したキッズスペース兼ワークショップスペースを2023年にM&Aにて売却。

好奇心旺盛で多趣味なことには自信あり。
ベトナム、ハノイの情報を主婦目線、ママ目線でお届けしていきます!

(運営:THANK ASIA CO.,LTD/サンクアジア:厚生労働大臣許可番号27- ユ- 304568)

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