海外転職に憧れはあるけど、一歩踏み出せない――そんなあなたに届けたい、リアルな転職ストーリーがあります。
日本の営業職から、ベトナムで警備会社の現地法人立ち上げという大きなチャレンジに挑んだ梅村宏輔さん(28歳)。彼の決断の背景には、北海道での幼少期の思い出と、「もっと成長したい」という熱い想いがありました。
ニュージーランドでのワーホリ中に転職を決意し、現地法人の立ち上げメンバーとしてホーチミンへ。言葉の壁、文化の違い、ゼロからの事業構築――数々の困難を乗り越えながら、彼が見つけた「海外で働く本当の価値」とは?
本記事では、梅村さんへのインタビューを通して、ベトナム転職のリアルを余すことなくお伝えします。転職活動の具体的な流れから、現地での生活、仕事のやりがい、そして将来のビジョンまで。これからベトナム転職を考える方にとって、必読の内容です。
なぜベトナムなのか?転職を決意した2つの理由
原点は釧路の港町にあった
梅村さんとベトナムの縁は、意外にも北海道の小さな港町から始まっていました。

「釧路には昔からベトナム人の漁師さんがたくさん働きに来ていたんです。家の近くにベトナム人コミュニティの教会があって、小学生の頃はよく一緒にサッカーをしたり、ご飯を食べたりしていました。初めて食べたフォーの味は今でも覚えています。」
意外にも北海道で幼少期からベトナム人の人の良さ、優しさに慣れ親しんでいたという梅村さん。
このころから、なんとなくベトナムが好きになったそうです。
この温かい交流の記憶がベトナムへの関心を高め、20年後の転職の決め手の一つになるとは、当時の少年には想像もつかなかったでしょう。
「このままでいいのか?」社会人2年目に出会った起業家から受けた衝撃
大学卒業後、製造業の法人営業職として順調にキャリアを積んでいた梅村さんに転機が訪れたのは、社会人2年目のこと。

「営業の仕事自体は楽しかったんです。でも、ある時出会った起業家の方の話を聞いて、衝撃を受けました。元佐川急便の部長だった方が、全く経験のない障害者施設を立ち上げて、『世のため人のため』に情熱を注いでいる姿を見て、自分もこんな風に生きたいと強く思ったんです。」
この出会いをきっかけに、梅村さんは「もっと大きなチャレンジがしたい」「起業したい」という想いを抱くようになりました。
(*事実、新卒3年目で約300人いる営業社員の中で売上成績2位となり、会社の成長に大きく貢献したとのことです。素晴らしい(拍手)。)
ニュージーランドから始まった転職活動の全貌
運命の出会いは「ベトスカウト」から
新卒で入社した会社を3年1ヶ月で退職後、フィリピン留学を経て、ニュージーランドでワーキングホリデー中だった梅村さん。現地レストランでマネジメント経験を積みながら、次のキャリアを模索していました。

「『ベトナム 求人』で検索したら、『ベトスカウト』というサービスを見つけたんです。起業志向歓迎の、気になるベトナム事業立ち上げの求人が載っていて、これは面白いなと。会員登録したらすぐに担当者からスカウトメールが来て、そこから話がトントン拍子に進みました」
異例の採用プロセス
通常では考えられない、ニュージーランドからの転職活動。しかし、企業側も梅村さんの熱意に応えました。

「最初はオンラインで面接したのですが、やはり対面で面接したいと。わざわざニュージーランドから日本に一時帰国して本社の役員と面接を受けました。渡航費やホテル滞在費も会社側で負担頂き、懐の深い会社だなと感じました。
ニュージーランドから転職活動をして、そのままベトナムに赴任するなんて、後から聞いたら『そんな人は初めて』だそうです(笑)」
現地法人立ち上げの最前線!1日のリアルな仕事風景
梅村さんの1日
時間 | 活動内容 | コメント |
---|---|---|
6:30 | 起床・朝食 | 「ベトナムは朝が早い。市場も6時には活気づいています」 |
8:00 | 近所のカフェで仕事開始 | 「実はアパートで工事が始まって…。ベトナムのカフェは安くてWi-Fiも完備。コーヒー1杯100円程度で何時間でも仕事できます」 |
10:00 | ベトナム人スタッフとのミーティング | 「日本語もベトナム語も話せる優秀なスタッフと二人三脚。彼女なしでは仕事になりません」 |
午後 | 営業活動・ネットワーキング | 「日系企業訪問、ローカル企業との商談、市場調査など。足で稼ぐ情報収集が重要です」 |
夜 | ビジネス交流会・会食 | 「『渡越の会』という日本人ビジネス交流会の幹事をしています。週に2-3回は誰かと食事。ここでの出会いが次のビジネスにつながることも」 |
立ち上げポストだからこそ得られる経験

「事業計画書の作成から、市場調査、営業、採用、経理まで全部自分でやります。日本の大企業では絶対に経験できないことばかり。大変だけど、これほど勉強になることはありません。」
ベトナム生活6ヶ月目の本音トーク
言語の壁は想像以上、でも…

「正直、英語はほとんど使いません。ビジネスの現場では9割ベトナム語。最初は戸惑いましたが、通訳スタッフや取引先の方が助けてくれるので、なんとかなっています。ベトナム人は外国人に優しいんです。」
ベトナムでは、英語が流暢な若者が多数いますが、それでもやはりビジネスの現場ではベトナム語でのやりとりが非常に重要だということです。
ベトナム語は習得が非常に難しい言語のため、現地就職を目指す方は学んで身につけておくと、それだけでかなり他の人よりもリードできるでしょう。
食事は最高!でも半年で変化が…

「最初の3ヶ月はベトナム料理の美味しさに感動して、毎日フォーやバインミーを食べていました。でも半年経つと、さすがに日本食が恋しくなって(笑)。最近は自炊で日本食を作ることも増えました。でも、1食200-300円で美味しいローカルフードが食べられるのは、やっぱり魅力的です。」
ベトナムが日本人にとって住みやすい環境であるのは、日本料理レストランや日本食販売店が多くあることが理由として考えられます。
美味しいベトナム料理ですが、調味料が同じような感じなので飽きてしまう日本人も多くいます。
そんなとき、日本食も気軽に食べられるのはとても安心ですよね。
住環境の意外な落とし穴

「家賃は東京の半分以下で広い部屋に住めます。ただ、工事の音がすごくて…。ベトナムは建設ラッシュなので、どこに住んでも工事音は覚悟が必要かもしれません。」
ベトナムの中でもホーチミンやハノイなどの大都市では、日々街開発が行われています。昨日まであったお店がなくなるなんてこともしょっちゅう。
工事音だけではなく、街の日常的な騒音も日本よりは多いので、その点は覚悟して渡越されるのが良いでしょう。
日本とベトナム、働き方の決定的な違いとは

車やバイクが走る道路を横切ろうとする梅村さん
決裁スピードの速さに驚愕

「日本では営業同士で何度も打ち合わせをして、稟議を通して…という流れでしたが、ベトナムではオーナーが即決。『いいね、やろう!』で話が決まることも。このスピード感は衝撃的でした。」
日本人は慎重かつ先を見据えた決断を心がけますが、ベトナム人の特徴としては、大胆に「今」を一番重要視して決断するという雰囲気があります。
前向きにどんどん進んでいくスタイルが好きな方にとって、ベトナムでの仕事は楽しく感じられるかもしれません。
人間関係はフラットでオープン

「年齢や役職に関係なく、フランクに意見を言い合える環境があります。ただし、お金の話はとてもシビア。『これはいくら?』『もっと安くできない?』という交渉は日常茶飯事です。」
フランクに意見を言い合える環境というのは、なかなか日本の企業では整っていないことが多いですよね。
街なかでの買い物ひとつをとっても値段交渉は頻繁にありますが、ビジネスの場面でも同じなのですね。ベトナムでは、日本よりもお金のことについてはっきりと意見を言うほうがビジネスでもうまくいくのかもしれませんね。
驚きの連続!ベトナムビジネスの実態
梅村さんがベトナムで実際に体験した、日本では考えられないようなエピソードをご紹介します。
- 🚨 警察・消防への連絡:「電話しても出ないことがある。緊急時の対応は日本とは全く違います」
- 🏢 役所での手続き:「『袖の下』文化はまだ残っています。正直、戸惑いました」
- 👮 警備員の概念:「日本の警備員のイメージとは全く違う。バイクの誘導係程度の認識で、座ってスマホをいじっているのが普通。」
- 💼 ビジネス:「Facebook広告が主流だったり、現金決済を求められたり。日本とは勝手が違います」
ゼロから作る警備ビジネス!立ち上げの苦労と醍醐味
今まさに日系の警備ビジネスをホーチミンで立ち上げるために奮闘されている梅村さんですが、立ち上げ真っ最中の中で感じた苦労ややりがいを教えていただきました。
競合分析から見えた勝機

「ベトナムには日本を代表する大手セキュリティ会社も複数進出していますが、価格が高い。一方、ローカル企業は安いけど質が低い。この隙間を狙って、『日本品質を現地価格で』というコンセプトで差別化を図っていきます。」
すでに具体的な勝ち筋が見えてきていると言う梅村さん。
毎日必ず人に会って、意見を交わし、思考を深められているというのがとても印象的でした。
テクノロジー×人材の新しい警備モデル

「ベトナムの警備は人海戦術が主流ですが、炎天下で12時間立ちっぱなしなんて非現実的。AIカメラや機械警備を組み合わせて、人にやさしく、かつ効率的な警備システムを作りたいんです。」
場所が変われば、人も変わり、需要も変わります。
それを身体で感じながらビジネスモデルに落とし込まれていました。ベトナムの人が働きやすく、必要とされる警備の形はなんなのか。梅村さんの熱い想いが伝わってきました。
本社との温度差という課題

「現地の肌感覚を日本の本社に伝えるのが一番難しい。『なぜFacebook広告が必要なのか』『なぜ現金決済なのか』…日本の常識で判断されると、現地では勝てません。でも、現地コンサルタントの方が間に入ってくれるので、少しずつ理解も深まってきています。」
どれだけ調べて学んでも、実際に暮らしてみないとわからないことは山のようにあります。
現地のニーズや慣習などをいかに日本本社の決裁者や社員に伝えて理解してもらうか。現地駐在員の大きなミッションの一つなのかもしれません。
失敗と成功、そして成長――ベトナムで得た3つの学び
1. 「完璧」を求めない柔軟性

「日本では完璧な準備をしてから動きますが、ベトナムでは『とりあえずやってみる』が基本。最初は戸惑いましたが、このスピード感に慣れると、PDCAサイクルが驚くほど速く回せるようになりました。」
2. 人脈こそが最大の資産

「ベトナムでは人との繋がりが本当に大切。困った時に助けてくれるのも、新しいビジネスチャンスをくれるのも、全て人。だから飲み会や交流会には積極的に参加しています。」
3. 「違い」を楽しむマインドセット

「『日本ではこうなのに』と文句を言っても始まらない。『ベトナムではこうなんだ』と受け入れて、その中でベストを尽くす。この考え方ができるようになってから、仕事もプライベートも格段に楽しくなりました。」
「不安は成長のチャンス」若手へ贈る熱いメッセージ

ベトナム料理を楽しむ梅村さんとベトスカウト編集部の田中
海外は思っているほど怖くない

「実は最近、母校の明治大学でもベトナム就職を希望する学生が増えているそうです。みんな『興味はあるけど不安』と言います。でも、その不安こそが成長のチャンス。一歩踏み出せば、想像以上に多くの人が助けてくれます。」
事前に色々と考え始めると、不安や悩み要素は尽きませんが、とにかくまずはやってみる!
どんなことにおいても大切な考えですね。
最初の一歩さえ踏み出してしまえば、あとは何とかするのみ!という気持ちがあると、海外就職はうまくいくのかもしれません。
まずは短期でもいいから現地を体験してほしい

「いきなり転職は難しくても、インターンや短期滞在から始めればいい。実際に現地で生活して、働いている日本人に会って、話を聞いてみる。それだけでも世界観が大きく変わります。私も最初はフィリピン留学から始めましたから」
日本は島国で、どこにいても日本人にとっては快適な環境が整っています。価値観もみんな似ていますよね。
海外就職を考えるなら、まずは少しでも海外での暮らしを経験してみることが、日本人にとっては特に大切なポイントなのだと思います。
日本での経験は決して無駄にならない

「ベトナムではビザの関係で3年以上の実務経験が求められることが多いです。だから、まずは日本でしっかりと基礎スキルを身につけることが大切。その経験は必ず海外でも活かせます。私も日本での営業経験があったからこそ、今の仕事ができていると感じています。」
ベトナムでワーキングビザを取得しようと考える際、3年以上の実務経験があるとスムーズに申請ができます。
挑戦することで見える新しい自分

「ベトナムに来て半年、自分でも驚くほど成長を実感しています。日本にいた頃は想像もできなかった人たちと出会い、考えもしなかったビジネスに挑戦し、毎日が刺激的です。この経験は、どんな研修やMBAよりも価値があると思っています。」
まとめ:あなたもベトナムで新しい自分に出会える
梅村さんの体験談を通して見えてきたのは、ベトナム転職の「リアル」でした。
確かに、言葉の壁や文化の違い、ビジネス慣習のギャップなど、苦労することは少なくありません。しかし、それ以上に得られるものがある――それが梅村さんの実感です。
✔ゼロから事業を立ち上げる醍醐味
✔多様な価値観を持つ人々との出会い
✔自分の可能性を試せる環境
✔日本では得られない成長スピードこれらは全て、一歩踏み出した人だけが手にできる財産なのです。
梅村さんは最後にこう語ってくれました。

「ベトナムに来て本当に良かった。もちろん大変なこともありますが、それも含めて全てが学びです。もし昔の自分に会えるなら、『悩んでいる時間がもったいない。早く飛び出せ!』と言いたいです。」
あなたの「一歩」が未来を変える
梅村さんの実体験に基づいたお話はいかがでしたか。
ベトナム転職を経験したからこそ溢れる、熱い思いをたくさん語ってくださいました。
ベトナムでのビジネスや暮らしを心から楽しそうに、前向きに語られている姿がとても印象的でした。
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まずはどんな仕事があるのか、どんなオファーが来るのか、ぜひお試しください。
今回の記事が、あなたのベトナム転職の参考になればとても嬉しく思います。