ベトナムの名物といえば、あなたは何を思い浮かべますか?
一番有名なものはやはりフォーでしょうか。
その後、生春巻きやバインミーが続くはずです。
しかし、ベトナムにはまだまだ多くの日本人には知られていない、たくさんの有名な食べ物があります。
日本でもベトナム料理はブームとなっていますが、本場ベトナムに来る際には、ぜひ他の名物も食べてみてほしいものです。
今回は、ベトナムに来た時に名物を食べたい、試してみたいと考えている方のために、ベトナム名物を15種類、厳選してご紹介します。
ベトナム料理の特徴
ベトナム料理は辛いというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実はそうではありません。
ベトナム料理は辛すぎたり甘すぎるということはなく、実はマイルドな味付けが特徴で、日本人にとって食べやすいメニューが多くあります。
ベトナムは海に面しているということもあり、海鮮料理が新鮮でおいしく、生野菜や香草もたくさん使用されていて、ヘルシーなものもたくさんあります。
基本的には米食のため、食べやすいものが多いですが、味付けは魚醤(ヌクマム)を使うことがほとんどなので、苦手な人にとっては食べ辛く感じることもあるでしょう。
北部やハノイ周辺はダシと塩の味付けが多く、中部のダナン周辺はスパイシーな味付け、南部のホーチミン周辺は甘味の強いこってりした味付けが特徴になっています。
フォーなど同じ料理でも、食べる地域によって少しずつ味付けが異なります。
ベトナムの名物料理15選
Phở(フォー)
フォーはベトナム料理の中でも最も有名なものの一つです。
大きく分けてフォーには二種類あり、牛肉のフォーであるPhở bò(フォーボー)、鶏肉のフォーPhở gà(フォーガー)があります。
スープをそれぞれの骨などから取るため、どちらかをメインにしているお店が多いはずです。
フォーの麺はうどんのようにコシがなく、柔らかくなっています。
米粉を水で溶き、蒸したものを切っています。
そのため、麺の細さは作り手によって様々で、ベトナムのフォー屋さんでも太さが店によって異なります。
フォーは北部発祥と言われており、本格的な味付けを食べるなら北部がおすすめです。
南部では、甘いスープがベースで、様々な調味料でアレンジして食べるスタイルが主流となっています。
Bánh mì(バインミー)
バインミーとは、ベトナム語で「パン」という意味ですが、フランスパンのようなパンに野菜や肉を挟んだベトナム流サンドイッチのことを指すことが多くなっています。
フランス植民地時代の影響を受けて誕生したと言われています。
バインミーのフランスパンは日本のものとは少し異なり、硬すぎず大きさも小さめで、ふわふわの軽い食感のものが主流です。
このパンがとてもおいしく安価で購入できるため、観光客にも大人気の名物となっています。
サンドイッチの中身はお店によって様々ですが、一般的には豚のレバーペースト、人参と大根のなます、きゅうり、ハーブなどを挟むことが多いです。
鴨や魚のペーストを使ったり、観光客向けの味付けやアボカド、卵焼きなどを追加できるお店もあります。
Bún Chả(ブンチャー)
ブンチャーはハノイ発祥のつけ麺料理です。
米麺(ブン)を、炭火で焼いた肉と野菜や香草などと一緒に甘酸っぱいタレにつけて食べる料理です。
ブンチャーは現地ではフォーよりも人気のある名物だとも言われているほどで、日本人在住者にもとても人気が高い料理です。
炭火で焼かれたつくねのような肉団子が香ばしく、野菜と一緒にタレにつけるとさっぱりおいしく食べることができます。
タレの味付けや肉の形、焼き方はお店によって異なります。
麺の形はフォーのような平麺ではなく、そうめんのような形状になっています。
Bánh Xèo(バインセオ)
バインセオはベトナムに来たことがない方にとっては、馴染みのない食べ物かもしれません。
ベトナム中南部発祥の料理で、ココナツミルクやターメリック、米粉で作った生地で野菜や豚肉、エビなどを挟んだベトナム風お好み焼きと言われています。
黄色い生地はパリパリに焼かれていて、とても香ばしく、ヌクマムで味付けされた甘酸っぱいタレにつけて食べます。
野菜やライスペーパーが一緒に出されることが多いので、 バインセオと一緒にタレにつけると一層おいしく食べることができます。
Xôi(ソイ)
ソイはベトナム風おこわです。
現地の人たちは朝食に食べることが多いようですが、おやつや夕飯として食べることもできます。
餅米を使った料理ですが、味付けやトッピングにより、呼び方が変わります。
- ・Xôi xéo(ソイセオ)…ウコンの黄色いおこわに緑豆のペーストとフライエシャロットをのせたもの
- ・Xôi gấc (ソイガック)…赤い甘味のあるおこわ
- ・Xôi lạc(ソイラック)…ピーナッツ入りのおこわ
- ・Xôi ngô(ソインゴー)…とうもろこし入りのおこわ
- ・Xôi gà(ソイガー)…おこわに鶏肉のほぐしたものとフライエシャロットをのせたもの
代表的なソイには以上のような種類があります。
基本的にはローカルの屋台やお店で購入することができます。
バナナの葉に包まれていることが多いですが、このまま保存すると非常に腐りやすくなるので、購入したらすぐに食べるか、すぐに食べられない場合には容器などに移し替えて冷蔵庫で保存しましょう。
Cơm Gà(コムガー)
コムガーはベトナム家庭料理のひとつで、鶏肉を茹で、その茹で汁で米を炊いたものです。
米をターメリックで味付けしたり、専用のタレをつけて食べます。
日本で言うところのチキンライスに近いでしょう。
コムガーは外国人でもファンが多い料理で、鶏肉の出汁がしっかり沁みたご飯が非常に美味しいと評判です。
お店によって米の味付けやタレの味が異なりますので、ぜひお気に入りのお店を見つけてみてください。
Chè(チェー)
チェーはベトナムのスイーツの一つです。
スイーツとは言っても、とてもヘルシーなもので、豆やタピオカ、ゼリー、フルーツ、ココナツミルクなどが主な材料として使用されています。
チェーにも様々な種類があるのですが、基本的には甘い具材の入った冷たいスープデザートです。
フルーツが多く入ったもの、蓮の実が入ったもの、 もち米が入ったもの、プリンが入ったものなどがあります。
チェーを注文すると一緒に細かい氷が出されますが、これらを混ぜながら冷たく食べるのがベトナムスタイルです。
北部の寒い季節にはあたたかいチェーも好まれます。
ローカルのお店で、種類が多すぎて注文に迷う時には、お店のおすすめを出してもらうのが良いでしょう。
お店によっては自分で好きな材料を組み合わせて作ることができる場合もあります。
Gỏi Cuốn (ゴイクォン)
ゴイクオンは、名前を聞くと何かよくわかりませんが、日本でも馴染み深いベトナム風生春巻きのことです。
ベトナム語で「ゴイ」は和える、「クォン」は巻くと言う意味で、ライスペーパーで巻いたサラダのことを指します。
発祥はベトナム南部で、今でも北部よりも南部の方がよくお店で提供されています。
春巻きの中にはエビや春雨、パクチー、レタス、人参などが包まれていることが多く、スイートチリソースやヌクマムのタレにつけて食べます。
Nem rán(ネムザン)
ネムザンはベトナム北部でよく食されているベトナムの揚げ春巻きです。
皮は乾燥したライスペーパーを使用し、日本でよくある中華風揚げ春巻きよりも外側が薄くなっているのが特徴です。
中には春雨やミンチ肉、キノコやもやしなどを入れることが一般的で、中の具材にはしっかりと味がついています。
食べる時には香草などと一緒にヌクマムのタレにつけることが多いです。
ブンチャーのお店で一緒に販売されていることも多く、それをマンベー(持ち帰り)して、夕飯の一品にしても美味しいですよ。
Bún Bò Huế (ブンボーフエ)
ブンボーフエはその名の通り、ベトナム・フエ地域発祥の麺料理です。
ブン=米麺、ボー=牛肉を指しますので、フエの牛肉米麺という意味の料理です。
ブンボーフエに使用される麺は、太麺でパスタより少し太いくらいのモチモチした米麺です。
スープは、牛肉からとった出汁をベースにスパイシーで濃厚な味付けにされています。
フォーはあっさりした味が特徴ですが、もう少し濃厚でしっかりとした味付けの麺類を食べたい時にはブンボーフエがおすすめです。
フエ発祥ではありますが、ハノイやホーチミン市内でも美味しいお店はたくさんあります。
Hủ Tiếu(フーティウ)
フーティウはベトナム南部でよく食される、麺料理です。
フォーなどと同じ米麺を使用しますが、一度乾燥させた麺を使用するため、コシがあるのが特徴です。
一説では、この料理はカンボジアから伝わったとも言われています。
スープは豚骨がベースで透明、具材はエビや豚肉、レバーなどたっぷりと乗せられています。
しっかりとスープに浸った汁ありタイプと、汁がなく具材にしっかりと味がついたまぜそばスタイルの汁なしタイプが存在し、好みが分かれるようです。
ぜひあなたのお気に入りのフーティウを見つけてみてください。
Bánh căn(バインカン)
バインカンも麺料理の一種ですが、原料は米だけではなくタピオカ粉も一緒に含まれています。
タピオカ粉独特のもちもち、ぷにぷにの食感が味わえるのが人気の秘密です。
スープや具材はお店によって様々ですが、中でも蟹がのったバインカンクアは1番主流のメニューです。
ベトナムでは少し前にブームになったようで、ホーチミンを中心にお店が増えているそうです。
Bánh cuốn(バインクオン)
バイン=餅、クオン=巻く、という意味を指します。
直訳すると餅の巻いた料理ですが、実際には上の写真のように、ぷるぷるの蒸した生春巻きの外側のような感じのものです。
生地には米粉とタピオカ粉を使用することが多く、キクラゲがアクセントに入っています。
また、具材のひき肉や野菜をしっかりと巻いて蒸した、蒸し春巻きのようなタイプもあります。
どちらのタイプも食べる時にはヌクマムの甘酸っぱいタレにつけるのが一般的です。
Chả cá(チャーカー)
チャーカーはハノイの名物料理で、白身魚を使用した料理です。
チャー=揚げた、カー=魚という意味のとおり、白身の淡水魚を揚げて、ネギや香草と一緒に食べます。
上の写真のような鍋で提供されることが多く、油が入った鍋でまずは魚を揚げます。
魚にはウコンでカレーのような風味の味付けがされています。
魚に火が通ったら、ニラやネギ、香草を加えて一緒に味わいます。
魚はナマズに似た種類を使用することが多いそうですが、私は生臭さを感じずにおいしくいただけました。
Bún bò nam bộ(ブンボーナンボー)
ブンボーナンボーは特徴的なネーミングが面白い料理ですが、日本人にも隠れファンが多い麺料理です。
ブン=米麺に牛肉や野菜を加えて、南部風の甘めのタレに絡めて食べるつけ麺料理です。名前に「南部」と入っていますが、発祥はハノイであると言われています。
牛肉には甘めの味付けがされていて、麺ととても良く合います。
また、野菜もたくさん入っていて、フライエシャロットやピーナッツが良いアクセントになっています。
お肉の旨味と甘めのタレをしっかりと絡めて食べるのが美味しい食べ方です。
まとめ
ベトナムの名物を15種類に厳選してご紹介しました。
知ってる知ってる!というようなメニューから、聞いたことのないメニューまであったのではないでしょうか。
実はベトナム・ハノイに3年以上在住の私でも、これらすべてのメニューを制覇できていません。
ベトナムは麺料理の種類が豊富で、日替わりでいろんな味を楽しめるのがとても魅力的です。
日本人の口に合うものも多く、挑戦しやすいのが嬉しいですよね。
ローカルのお店や屋台の生野菜はお腹を壊すこともありますので、心配であれば観光地近くのレストランで注文してみるのが良いでしょう。
ぜひ、あなたのお気に入りを見つけて、ベトナム名物を満喫してください!
今回の情報があなたのお気に入り探しの役に立っていますと、とても嬉しく思います。