ベトナム現地駐在妻が徹底解説!帯同者がすべき渡航前の準備リスト

パートナーのベトナム駐在が決まった際、帯同するかどうか非常に悩まれたのではないでしょうか。

やっとの思いで決心をしたのも束の間、次は渡航の準備を進めなければなりません。
楽しく準備できる方にとっては大きな問題のない作業かもしれませんが、手続きが苦手な方や小さなお子様を子育て中の方にとっては少し負担のかかる作業です。

駐在する本人も、渡航前には非常に多忙になるはずですので、なかなか頼ることが難しいかもしれません。

しかし、一人で抱え込まないで、周囲の人の手を借りたり相談することで一つ一つ進めていけば、きっと大丈夫です。

今回は、ベトナム駐在員の帯同者になる方に向けて、渡航前の準備リストをご紹介します。
やることが多すぎて混乱している方に向けて、実際の私の経験を交え、整理してお伝えしていきます。

渡航前に日本で準備すること

駐在前に日本側でクリアしておきたい基本的な準備は以下の通りです。

家族帯同する場合、先に駐在者が現地に赴任する場合も多くあります。
日本に残された配偶者(特に子供がいる場合)は、一人での手続きの手間が大きな負担になることがあります。

できる限り、駐在者が赴任する前に手続きを済ませておくことがおすすめです。

①パスポート、ビザの準備
②推奨ワクチンの接種
③現在の居住物件の手続き(賃貸解消、売却など)
④学校や幼稚園、習い事先への申告(子供がいる場合)
⑤職場への手続き(休職、退職)(労働中の配偶者が帯同する場合)
⑥クレジットカードの準備
⑦国内銀行口座や保険、年金などの手続き
⑧不用品や売却物の手続き
⑨ベトナムで売っていない日用品の購入
⑩歯の治療をできるだけ終わらせる

①パスポート、ビザの準備

これらの手続きは主に会社が主導となって進めてくれるはずです。
指示があったら、速やかに時間に余裕を持って行いましょう。

また、駐在帯同に限らず海外に行く時に共通して言えることですが、万が一のために日本の緊急連絡先とベトナム現地の日本大使館の連絡先はメモを取って持ち歩くようにしましょう。

②推奨ワクチンの接種

ベトナム渡航の際、必須とされているワクチンはありませんが、以下のワクチン接種が推奨されています。
ベトナムに渡航してから接種することもできますが、できるだけ日本での接種を済ませておくのがおすすめです。

  • ・A型肝炎
  • ・B型肝炎
  • ・破傷風
  • ・日本脳炎
  • ・狂犬病
  • ・MR(麻疹・風疹の混合)ワクチン
  • ・水痘
  • ・帯状疱疹ワクチン
  • ・インフルエンザワクチン

一度の接種では免疫がつかず、数週間にわたって続けて接種が必要なものもありますので、スケジュール管理には注意しましょう。

③現在の居住物件の手続き

日本で住んでいる住居の形態によって、必要な手続きが異なります。

賃貸や社宅の場合・・・契約解除の申込み
持ち家の場合・・・売却、そのまま維持、貸出の手続き
実家の場合・・・荷物の搬出手続き

住宅ローンは海外に居住すると借入条件が変わったりすることもあります。
また、住宅ローン控除が適用されなくなる場合もありますので、ローンを組んでいる銀行に申告を忘れないようにしましょう。

④学校や幼稚園、習い事先への申告

子供が一緒にベトナムに帯同する場合、通っている学校や幼稚園・保育園に退学、退園の申告が必要です。
子供に引っ越しを伝えるタイミングは慎重に検討したい場合が多いと思いますので、手続きの都合上、学校や幼稚園に先に伝える場合には、本人や他の生徒に情報を漏らさないようにしっかり依頼しておきましょう。

⑤職場への手続き(休職、退職)

帯同する配偶者が労働している場合、勤務先への報告が必要です。

契約内容や会社の待遇によって、帯同中の休職が許可される場合と退職を余儀なくされる場合があります。
人事担当者にしっかりと事前相談し、今後の自分のキャリアも考えた上で選択しましょう。

⑥クレジットカードの準備

海外生活で便利なのが、クレジットカードです。
Visa、Mastercardはベトナムでも加盟店が多く、使いやすいでしょう。

渡航してすぐにベトナムの紙幣が手元にない場合でも、カードがあれば便利です。

⑦国内銀行口座や保険、年金などの手続き

国内銀行口座は住民票を抜いて海外居住する場合、使えなくなることがほとんどです。

しかし、インターネットバンキングで海外送金ができるプランに登録することもできますので、自分に合った手続きを済ませるようにしましょう。

また、年金についても駐在員は基本的に会社が手続きしてくれるはずですが、配偶者の分は自身での手続きが必要です。
年金窓口で早めに相談をしておきましょう。

⑧不用品や売却物の手続き

駐在期間は決まっていないという場合も多いですが、多くは2~5年くらいのことが多いでしょう。

家電や大物家具、自動車などは、倉庫に預けるのか、売却するのかを検討する必要があります。

これらは引越しの日まで使用するものもありますので、私は最後の処理が想像以上に大変でした。
自宅の退去手続きの日に、同時でこれらの売却、倉庫への発送手続きなどを行いましたが、小さな子供を連れて行うのは非常に難易度が高く、配偶者がいない状態では難しいでしょう。

両親や兄弟など、大人の手を借りる必要があると考えておいた方が安心です。

⑨ベトナムで売っていない日用品の購入

ハノイやホーチミンにはたくさんの日系スーパーマーケットがあり、ほとんどのものは現地でも購入できます。
しかし、一部入手困難なものや価格が倍以上するというものもあります。

私自身が持ってきてよかったと感じるもの、買って持って来ればよかったものをリストアップします。

  • ・炊飯器
  • ・掃除機
  • ・コンタクトレンズ
  • ・保湿剤やクリーム
  • ・サプリメント
  • ・常備薬
  • ・生理用品(女性)
  • ・お気に入りのおもちゃ
  • ・絵本や参考書
  • ・筆記用具
  • ・おむつ
  • ・ベビー用品(哺乳瓶、粉ミルク、衣服、おもちゃなど)

炊飯器や掃除機は、ベトナムでも販売されているのですが、やはり日本製品の方が品質が高くて価格が安いので、可能であれば持ってくることをおすすめします。
※日本とベトナムでは電圧が異なりますので、日本製品を使用する際には確認の上、必ず変圧器を使用しましょう。

コンタクトレンズや保湿剤、サプリメント、常備薬、生理用品などは、今まで慣れ親しんだ日本メーカーのものを使用するのがやはり安心できます。
似たような効能のものはベトナムにもありますが、体に直接使用することに少し不安が残ります。
日本メーカーのものも一部販売されていますが、価格は非常に高価です。
(日本販売価格の1.5~2.5倍)

日本人の子供が好きなキャラクターのおもちゃや筆記用具、参考書はベトナムでは手に入れることができません。
入園、入学先が決まっている場合には、日本で買って持っていくべきものを事前に確認して購入する必要があります。

おむつとベビー用品も、日本人が慣れ親しんだメーカーや品質のものは、ベトナムでは非常に高価ですので、小さい子供がいる場合には可能な限り購入して持ってくるのがおすすめです。

⑩歯の治療をできるだけ終わらせる

この準備は意外な内容かもしれませんが、侮ることのできないポイントです。
なぜなら、海外での保険は歯科診療が適用外になる場合があるからです。

特にお子様がいる場合には、保険料金の問題だけではなく、日本の小児歯科でしっかりと治療してもらうことが重要です。

ベトナムにも日本人医師在中の歯科医院はいくつかありますが、選べるほど多くはありません。

時間に余裕があれば、日本にいる間に治療を済ませておくほうが安心でおすすめです。

渡航後にベトナムでやること

次に、ベトナム側で渡航してから(場合によっては渡航前から)クリアしたい手続きは以下のようなものがあります。

①居住先の契約
②携帯電話、インターネットの契約
③銀行口座の開設
④学校や幼稚園への入学手続き(子供がいる場合)
⑤在留届の提出
⑥病院や買い物先などの生活範囲の調査
⑦日常で使うベトナム語をマスターする(時間的余裕があれば)
⑧便利なアプリをダウンロードして活用する

①居住先の契約

居住先は会社指定の場合と自身で選択できる場合があるかと思います。

どちらにしても契約は会社経由で行うことが多いので、社内の担当者に相談しましょう。

先に駐在員が単身で赴任し、後から家族が帯同する場合には、単身の駐在員がひとまず仮住まいの場所に住み、居住の下見などをして家族同居する物件をゆっくり決めることも可能です。

②携帯電話、インターネットの契約

ベトナムでは、インターネットは住居に含まれていることが多いので、あまり困ることはないかもしれません。

携帯電話のキャリアは日本の会社のものをベトナムで使用すると、国際利用料金として高額になってしまう可能性があります。

ベトナムの会社のキャリアにすることで非常に安く利用できます(月に2000円程度)ので、スムーズな連絡手段確保のためにもなるべく早く契約することをお勧めします。

SIMカードの購入にはパスポートが必要ですので、忘れないようにしましょう。

③銀行口座の開設

銀行口座は給与の受け取りなどで必要になるため、駐在員には会社経由で用意されることが多いでしょう。

ベトナムでは、買い物などの支払い時にインターネットバンキングでの支払いをするのが非常にポピュラーなので、可能であれば銀行口座は帯同者も開設しておくと安心でしょう。

④学校や幼稚園への入学手続き

子供がいる場合、新しく通う学校や幼稚園の入学手続きを進める必要があります。

私自身は、ベトナムに渡航する前の時点で、ベトナム現地の学校や幼稚園にある程度目星をつけておき、日本から国際電話やメールでの問い合わせも事前に行いました。

実際に渡航してからは、それらの学校や幼稚園に子供と一緒に見学に行き、決定しました。

学費の補助が会社から出る場合が多いため、入学金や学費の支払いは会社経由で行ってもらうのが一般的です。

⑤在留届の提出

3か月以上滞在する日本人はその国の日本大使館に在留届を提出することが義務とされていますので、大使館で手続きを済ませましょう。

オンラインでの手続きも可能です。

⑥病院や買い物先などの生活範囲の調査

ベトナムに渡航したら、最低限の暮らしができるように、病院の場所や連絡先、買い物の場所などを調査しましょう。

渡航前にインターネットなどで調べたり、会社の先輩に質問するのも良いでしょう。

⑦日常で使うベトナム語をマスターする(時間的余裕があれば)

ハノイやホーチミンの旅行客が多いエリアでは、少しの英語が通じることが多いです。
日本語が通じるお店もちらほらあります。

しかし、タクシードライバーや少し外れた街ではどちらも一切通じないことが多いでしょう。

そんな時に、簡単な単語、「はい」「いいえ」「右」「左」などは覚えておくのがおすすめです。

<簡単ベトナム語リスト>

こんにちは:Xin chào(シンチャオ)
はい:Vâng(バン)
いいえ:Không (コン)
右に曲がって:Rẽ phải(ゼ ファーイ)
左に曲がって:Rẽ trái](ゼ チャーイ)
まっすぐ:Đi thẳng(ディー タン)
Uターンして:Rẽ chữ U (ゼ チゥーウ)
すみません(店員を呼ぶ際):Em/Chị/Anh Ơi(エム/チ/アイン オ―イ)
※相手が自分より年下の場合にはEm、年上の女性にはChị、年上の男性にはAnhを使用します。
お会計をお願いします:Tính tiền(ティンティエン)
これはいくらですか:Bao nhiêu tiền?(バオニューティエン)

まとめ

今回は帯同予定者の方に向けて、渡航前の準備リストをご紹介しました。

最初にやるべきことが山積みでのしかかってくると、どんな方でも嫌気が刺したり混乱するものです。

しかし、ひとつずつ順番にクリアしていくことで、必ず先が見えてくるはずなので、今回の記事を参考に準備を進めてみてください。

パートナーの会社が主導で進めてくれる項目もありますので、迷うことや悩むことがあれば相談してみると良いでしょう。

今回のリストが、帯同者の方の渡航準備の参考になっていましたら嬉しく思います。

現地在住ライター紹介
この記事を書いた人
ベトスカウト応援スタッフ「Kana」

現在は夫の帯同でベトナム・ハノイ(ホータイ区)に在住。3児(小学生~2歳)のママ。
大阪市立大学商学部を卒業後、大手百貨店総合職で勤務。WEBライター歴6年。

2018年より経営したキッズスペース兼ワークショップスペースを2023年にM&Aにて売却。

好奇心旺盛で多趣味なことには自信あり。
ベトナム、ハノイの情報を主婦目線、ママ目線でお届けしていきます!

(運営:THANK ASIA CO.,LTD/サンクアジア:厚生労働大臣許可番号27- ユ- 304568)

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