【徹底解説】ベトナムに行ったら飲みたい!お酒の種類や飲み方

ベトナムといえば、ベトナムビール!

お酒を飲むのが好きな人は、そんな風に真っ先に思いつくかもしれません。

それもそのはず、ベトナムではビールが非常に安く、100円以下で買えることも多いので、お酒好きな方にとって気軽にビールを楽しめる国の一つです。

ビアホイというリーズナブルな大衆酒場もあちこちにあり、お酒好きにはたまりません!

今回はベトナムでお酒を楽しみたいという方や、お土産にお酒を買いたいという方に向けて、ベトナムのお酒の種類や飲み方を徹底解説します。

ベトナムのお酒のルールや歴史

ベトナムのお酒の歴史

ベトナムで最も伝統的なお酒は「ライスワイン(Rượu Gạo)」です。
これは米を発酵させて作られる蒸留酒で、アルコール度数が高く、地方ごとに特徴があります。
家庭で手作りされることも多く、古くから祝い事や宗教的儀式に使われてきました。

薬草や動植物を漬け込んだ「薬用酒」も人気です。
特にヘビやサソリを瓶に入れた「ルオウ・ラン(Rượu Rắn)」が有名で、健康増進や精力増強の効果があると信じられています。
ベトナム人のお宅にお邪魔すると、瓶に入ったヘビ酒を見せてくれることもあります。

また、フランス植民地時代には、ワインやブランデーといった西洋のお酒が広まりました。
この影響で現在でも高級レストランや都市部ではワイン文化が根付いています。

現在、ベトナムお酒文化の主流となっているビールは、20世紀後半から人気が高まったと言われています。

ベトナムのお酒のルール

ベトナムでは法律で飲酒可能な年齢は18歳以上と定められています。

お酒を飲んだままバイクを運転する人はまだまだ多いベトナムですが、近年、飲酒運転に対する罰則が強化されており、血中アルコール濃度がゼロでも違反とされる厳しいルールも施行されています。

また、アルコール飲料の広告や販売促進活動には一定の規制があり、未成年への販売は禁止されています。

ベトナムでは、お酒は結婚式、葬式、農業の収穫祭などで重要なものだと考えられています。
乾杯の際には「モッ・ハイ・バー・ヨー!(Một Hai Ba Dô!)」と声をそろえることが一般的です。

また、客人にお酒を勧めることが礼儀とされ、断ると失礼と見なされることがあります。
もし断わりたいという時には、理由を丁寧に説明するのが良いとされています。

ベトナムのお酒の種類

次は、ベトナムで飲めるお酒の種類について、それぞれ詳しく解説します。

ビール

ベトナムは熱帯の国であるため、ビールは軽くてさっぱりした味わいのものが好まれます。
喉越しが良く、飲みやすいのが特徴で、日本人にとっては少し薄く感じることもあります。

しかし、その薄めのビールにさらに氷を入れて飲むのがベトナム流!
飲みやすいので、お酒が苦手な方でも軽く飲めてしまいます。

ビア・ホイ(Bia Hơi)

ベトナムの伝統的な生ビール。
軽い炭酸と低アルコール(約3%)が特徴で、その場で醸造して提供されるため新鮮です。

ビアホイは、屋台やローカルなビアホールで提供され、氷を入れて飲むのが一般的です。

サイゴンビール(Bia Sài Gòn)

引用:公式ホームページより

主にベトナム南部で広く愛されるビール。味わいは軽めで、アルコール度数は5%程度。

サイゴン・スペシャル(緑色の瓶)、サイゴン・ラガー(赤いラベル)、サイゴン・エクスポートなどの種類があります。

自分のお気に入りサイゴンビールがあるという方も多くいます。

ハノイビール(Bia Hà Nội)

引用:公式ホームページより

ベトナム北部の代表的なビールブランド。他の銘柄に比べるとやや濃厚で、しっかりした麦の風味が特徴です。

1890年代から続く伝統的なビールで、ハノイの名物とも言えます。

333ビール(Bia 333)

引用:公式ホームページより

ベトナムの老舗ブランドで、アルコール度数は5%程度。
フランス植民地時代から続く伝統を持っています。

味は少しコクがあり、どんな料理にも合わせやすい万能なビールと言われています。

ワイン

ベトナムでは、米やフルーツなど地元の素材を活用したワインが多くあります。

ライスワインなどの伝統的な酒造技術に加え、フランス統治時代の影響でブドウワインの文化も一部で取り入れられているという特徴があります。

日本人からすると、ワインは高級品のイメージですが、多くのベトナム産ワインは手頃な価格で購入でき、地元住民や観光客にとって手軽に楽しめる飲み物となっています。

ライスワイン(Rượu Gạo)

米を発酵させて作られる蒸留酒で、ベトナム全土で伝統的に作られています。
アルコール度数が高く(20〜40%)、辛口の味わい。

祝い事や儀式、または料理の調味料としても使われます。

地域ごとに異なる製法や味があり、ハノイやフエ、ホーチミンなどでそれぞれ異なります。

薬用ワイン(Rượu Thuốc)

薬草、動物、果実などを漬け込んだライスワインで、健康増進や精力増強の効果があるとされています。

薬用ワインには以下のような種類があります。

ルオウ・ラン(Rượu Rắn): 蛇を漬け込んだワイン。
ルオウ・タム(Rượu Tằm): 絹糸虫を使用したワイン。
ルオウ・サム(Rượu Sâm): 高麗人参や漢方薬を漬け込んだもの。

フルーツワイン(Rượu Trái Cây)

地元のフルーツ(ドラゴンフルーツ、リュウガン、ローズアップル、スターフルーツなど)を使った甘口ワイン。
軽い飲み口でアルコール度数が低め(5〜10%)。デザートワインとしても楽しまれています。

以下のような種類が人気です。

シルクワイン(Silk Wine): ダラット地方の名産。桑の実を使った濃厚なワイン。
パッションフルーツワイン: 南部で多く作られる甘酸っぱいワイン。

ダラットワイン(Rượu Vang Đà Lạt)

筆者撮影

筆者撮影

ベトナムで唯一のブドウワインの主要生産地であるダラット地方で作られるワイン。

赤ワイン、白ワイン、ロゼのバリエーションがあり、ベトナムの気候に合わせた軽やかな味わいで、アルコール度数は12〜14%程度。

ベトナム料理にもよく合い、特にパーティーやお祝い事で提供されることが多いです。

ウォッカ

筆者撮影

ベトナムでは、米を主原料とした蒸留酒の伝統があり、一部のウォッカにもその影響が見られます。米を原料にしたウォッカは、独特の滑らかな味わいが特徴です。

ベトナム産のウォッカは、国際ブランドに比べて手頃な価格で購入できるため、地元の人々だけでなく観光客にも人気があります。

ウォッカは海鮮料理や揚げ物など、ベトナムの味付けの濃い料理と特に相性が良いとされています。

ベトナム料理のレストランや結婚式などのお祝いでも、ウォッカが準備されていることがほとんどです。

バナナ酒

バナナ酒は熟したバナナを使用して作られ、甘みの強いバナナが選ばれるため、自然な糖分が発酵に利用されます。

地域によってレシピや作り方が異なり、家庭や地元の村で手作りされることが多いです。

味は、バナナ由来の甘みと香りが特徴で、軽い飲み口とまろやかな口当たりが楽しめます。
アルコール度数は10%から20%程度で、比較的軽めです。

ベトナムではバナナ酒は栄養価が高く、消化促進やリラックス効果があると信じられています。
そのため、特に地元の人々の間では、健康に良いお酒として親しまれています。

地域によってその作り方は異なり、南部ではより甘みが強く、北部ではやや辛口のバナナ酒が一般的です。

梅酒

ベトナムでは、日本や中国と同様に青梅を使用して梅酒を作ります。
ただし、使用される梅は地元の気候に適した種類で、日本の梅と比べるとやや小ぶりで酸味が強いことが多いです。

私もハノイで自分で梅酒を作ったり、手作りを購入したことがありますが、梅は小さいものが多い印象です。
味は日本と比べるとやや酸味が強く、さっぱりとした飲み口が特徴でした。

梅酒は、消化促進や疲労回復、血行促進の効果があると考えられ、特に健康を意識する人々に好まれています。

ベトナムでは、家庭で手作りされることが多く、各家庭や地域によってレシピや風味が異なります。

カカオ酒

カカオ酒は近年注目を集めているユニークなベトナム地元産のリキュールで、香り豊かな風味と特別感のある味わいが特徴です。

ベトナム中部は高品質なカカオ豆の生産地として知られており、このカカオを使用して作られたお酒は、豆の個性を生かしたものとして人気です。

カカオ豆独特の芳醇な香りが特徴で、チョコレートのような甘くビターな風味がアルコールに溶け込んでいます。
また、アルコール度数は15~30%程度が一般的で、飲みやすさを重視したものからリッチで濃厚なものまで様々です。

単独で飲むのはもちろん、カクテルやデザートに合わせることで、豊かな風味が引き立ちます。

ココナッツ酒

ココナッツ酒は、ココナッツを原料としたユニークなお酒で、特に南部の熱帯地域で親しまれています。
その自然な甘みとトロピカルな風味が特徴で、観光客にも人気があります。

ココナッツの果汁(ココナッツウォーター)や果肉を発酵させて作られるため、自然な甘みとナッツの香りを楽しむことができます。
アルコール度数は10~30%と幅広く、ライトで飲みやすいものから濃厚でしっかりしたものまで様々です。

一部のココナッツ酒は、発酵工程を利用して自然な炭酸感が加わることがあります。
この微発泡のおかげで爽やかな飲み心地になり、さらに飲みやすくなります。

アプリコット酒

アプリコット酒はアプリコットを原料としたフルーティーで香り高いお酒です。
甘酸っぱい風味が特徴で、ベトナムでは家庭や伝統行事で親しまれています。

アルコール度数は10~15%程度と比較的低めで、軽い飲み心地です。
そのため、お酒が苦手な人や初心者にもおすすめです。

アプリコットは、消化促進や疲労回復、解毒作用があると信じられており、アプリコット酒も健康志向の飲み物として人気があります。

市販品もありますが、ベトナムでは家庭で手作りされることが一般的です。
自家製のアプリコット酒は、各家庭ごとに独自の風味が楽しめます。

サソリ・ハブ酒・コブラ酒

薬用ワインの部分でも一部紹介しましたが、ベトナムではサソリやハブなどを漬け込んだ薬用酒が存在します。

特に健康促進や強壮効果を目的として作られ、前述したようにライスワインに漬け込んだものや、さらにアルコール度数の高いウォッカに漬け込んだものがあります。

サソリ酒(Rượu Bọ Cạp)

サソリ酒はサソリを主成分として作られる薬用酒で、ベトナムや中国、タイなどの東南アジアで親しまれています。
特に、サソリの毒腺や体内に含まれる成分が、痛みの軽減や血液循環の改善に役立つとされています。

ハブ酒(Rượu Rắn Hổ Mang)

ハブ酒は毒蛇の一種であるハブを使用した薬用酒で、蛇の毒をアルコールで中和しながら作られます。
ハブの毒には、適切に処理されることで血液循環促進や免疫力向上の効果があるとされています。

コブラ酒(Rượu Rắn Hổ Mang Chúa)

コブラ酒は、特に威厳ある毒蛇であるコブラを使用した薬用酒で、見た目のインパクトも強く、観光客にも人気があります。

コブラの毒や肉には、体力を高める効果があると信じられています。

まとめ

ベトナムにはビールの他にもさまざまな種類のお酒が存在します。

全体を通して言えることは、さっぱりした軽めのテイストが人気ということです。
しかし、ウォッカや薬用酒などの度数が高い、成分が濃いお酒も多数存在します。

ベトナムローカルの人たちと一緒にお酒を飲むと、比較的アルコールに強い人が多いため、驚く日本人も少なくありません。

自宅で作ったという自家製のお酒を振る舞ってくれることもしばしば。

しかし、普段慣れないお酒を飲むと、一気に酔いが回ってしまうこともありますので、注意しましょう。

ベトナムに来た際には、ぜひ現地でしか楽しめないお酒を味わってみてください!

 

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