ベトナム・ホーチミンメトロ(地下鉄)ガイド|料金や試乗方法を分かりやすく解説

公式Facebookより引用

待ちに待ったホーチミンメトロが、2024年12月22日に正式開通しました。

当初の予定では2018年頃に開業する予定でした。予定からはだいぶ遅れてしまいましたが、ついに開通し、待望の交通機関としてホーチミンの街を走行しています。

この記事では、ホーチミンメトロ誕生の背景から乗り方や見どころに至るまで、ベトナム在住9年の筆者が徹底解説します。

ホーチミンメトロとは

筆者撮影(2025年1月10日)

ホーチミンメトロは、ホーチミン市内を走る地下鉄のことを言い、一部区間(ベンタイン駅〜バーソン駅)が地下鉄で、残りが高架線です。

経済成長による大都市化とバイクや自動車の増加も重なり、ホーチミン市内の激しい交通渋滞や大気汚染が深刻な問題になっています。こうした問題解決の一環としてホーチミンメトロ建設が2012年に開始されました。

ホーチミンの地下鉄建設プロジェクト・メトロ1号線は建設費用43兆7000億VNDかかると言われていました。メトロ1号線は日本の技術と協力によって建設されています。車両は日立製作所製であるほか、国際協力機構(JICA)も、技術支援や融資などでプロジェクトをサポートしています。

ホーチミンメトロの概要

ホーチミンメトロの路線

公式HP(https://hochiminhcitymetro.com/tickets/)より引用

こちらは現在計画されているホーチミンメトロの路線図です。

現在は1号線(ベンタイン駅からスイティエンバスターミナル駅まで)の19.7km路線のみが運行しています(路面図上で赤色)。今後は6路線が開通する予定です。全線が開通するとメトロでホーチミン市内を移動することができるようになります。

始発5時頃~終電22時頃の間に、約10〜15分程度の間隔で各駅停車で運行します。2025年1月21日(火)より運賃が設定され、券売機でICカードチケット購入するか、クレジットカード・タッチ払いで乗車できます。

ホーチミンメトロ1号線の料金

ホーチミンメトロ1号線の料金は、日本の電車と同じで基本料金が設定されており、距離に応じて料金が変わります。その他、1日フリーパスや1ヶ月定期も購入が可能です。

フリーパス

1日券40,000VND/枚
3日間券:90,000VND/枚

定期

一般:300,000VND/人/チケット/月
学生:150,000VND/人/チケット/月

ホーチミンメトロの区間別料金表

公式HP(https://hochiminhcitymetro.com/tickets/)より引用

コラム:運行開始から1ヶ月間乗車無料

2025年1月20日(月)までは無料で乗車することができます。アプリ”HCMC Metro”をインストールし「Go! Tcket」タブからQRコードを表示し、駅係員に提示することで無料乗車ができます。また、アプリのインストールをしなくてもクレジットカード(MasterCard)も持っていれば、改札の読み取り機にかざして無料乗車ができます。※Visa/ JCB/ American Express/Union Pay/ Napasでも対応可能になるようです(時期不明)。

ホーチミンメトロの乗り方

ホーチミンメトロの乗り方は、日本と大きな違いはないので、事前に流れを把握しておけばスムーズに利用できます。

1. チケットを購入

筆者撮影(2025年1月10日)

電車に乗る際のICカードチケットは、駅の券売機もしくは売り場窓口で購入します。

券売機はタッチパネル方式です。駅の構内にはベトナム人の案内係がいます。迷った際は、案内係の方に聞くか、窓口で切符を購入することができます。

1月10日現在、無料期間のため、券売機を使用できませんでした。

クレジットカードタッチ払いを使用する方はそのまま改札に向かいます。

2.改札を通る

筆者撮影(2025年1月10日)

上りと下りの列車が同じ構内にあります。ホームへの入口は矢印や掲示板で分かりやすく表記されていますので、目的地行きのホームへ向かいます。改札を通るときは、ICカードチケットもしくはクレジットカードをタッチさせるだけ。入場スタイルはゲート開閉式になっているので、ゲートが開いたら中に進みます。

3.メトロに乗る

筆者撮影(2025年1月10日)

改札口からホームまでは階段だけではなく、エレベーターとエスカレーターがあります。ホームに着いて電車に乗る前に、もう一度進行方向の確認をしましょう。

ホーチミンメトロにはホームドアが設置されています。駅のホームには電車の情報が分かる電光掲示板があります。アナウンスはベトナム語と英語で放送されます。

電車の中は…

筆者撮影(2025年1月10日)

車内の雰囲気はとてもきれいです。座席は固い材質です。電車内にはモニターがついていて、停車駅はベトナム語と英語のアナウンスと共にモニターに表示されます。

ベンタイン駅〜バーソン駅までは地下鉄なので真っ暗ですが、バーソン駅を過ぎると、高架橋上を走行するので、外の景色を見ることができます(窓が濃いフィルムが貼られていますが)。

3. 電車を降り改札を出る

目的の駅で電車を降りたら、改札に向かいます。出口の矢印表記がある方向に進みます。

出る時は、クレジットカードをタッチするか、ICカードチケットを差し込み口に挿入します。ICカードチケットは回収されます。

ゲートが開いたら進みましょう。

ホーチミンメトロの乗車、お疲れさまでした!

ホーチミンメトロ1号線駅近くの主な観光地

1.  Bến Thành駅

ホーチミンメトロの主要駅となる1号線の始発ベンタイン駅。駅は地下1階(改札階)と地下2階(ホーム)になっています。

ベンタイン市場【Chợ Bến Thành】

ホーチミンの大人気観光名所の1つベンタイン市場は、ベンタイン駅を出てすぐです。

約2,000軒ものショップが集まり、朝は午前4時から夜は午後7時ごろまで営業しており、地元の人々の食料調達や旅行者のお土産探しの場として賑わっています。営業後の夜は深夜0時ごろまで市場の外でナイトマーケットを楽しむことができます。

ベンタイン駅からの距離 約350m(徒歩約1分)
住所 Lê Lai, Phường Bến Thành, Quận 1, Hồ Chí Minh

2. Nhà Hát Thành Phố駅

Nhà Hát Thành Phố駅の近くでは市内観光が楽しめます。

このエリアはサイゴンオペラハウス、ホーチミン人民委員会、グエンフエ通り、聖母教会、郵便局など見所が多く集まっています。ここではサイゴンオペラハウスを紹介します。

サイゴンオペラハウス【Nhà hát thành phố】

オペラハウスは、フランス植民地時代に建設され、現在も現役の市民劇場です。装飾パターン、レリーフなどフランス芸術の影響を受けたコロニアル建築です。オペラハウスの位置するドンコイ通りは、ホーチミンのメインストリートで、高級ホテルやお洒落なブティックショップ、レストランやスパが立ち並ぶ観光客に人気の目抜き通りです。

オペラハウス駅からの距離 約300m(約1分)
住所 07 Công trường Lam Sơn, Bến Nghé, Quận 1, Hồ Chí Minh

3. Tân Cảng駅

Tân Cảng駅は、ビンタイン区にあり、ベトナムの発展の象徴となったランドマーク81があります。

ランドマーク81【Landmark 81】

ランドマーク81はホーチミン市ビンタイン区にある高さ461.3mでベトナムでは最高層、東南アジアでは二番目に高いビルです。展望台のカフェバーは絶景です。展望台の他にも、ショッピングモール、レストラン、アイスリンクなどがあります。

Tân Cảng駅からの距離 約1.2km(徒歩約4分)
住所 720A Điện Biên Phủ, Vinhomes Tân Cảng, Bình Thạnh, Hồ Chí Minh

4. Thỏa Điện駅

Thỏa Điện駅は、 ホーチミンを代表するおしゃれな地区「タオディエンエリア」にあります。ベトナムに居ながら西洋の国にいるような雰囲気を味わうことができ、美味しいレストランやカフェ、雑貨などの買い物スポットがあります。日本食レストランも続々と出店しています。

GoogleMapより引用

5. Bến Xe Suối Tiên駅

Bến Xe Suối Tiên駅はホーチミンメトロの終点駅です。スイティエン公園や新東部バスターミナルがあります。

スイティエン公園【Công viên Suối Tiên】

公式HPより引用

仏教のテーマパーク「スイティエン公園」では、日本では味わえないカオス空間を楽しめます。遊園地、プール、動物園、奇妙なオブジェ、ワニ釣りなどアトラクションが盛り沢山です。「世界の有名遊園地12選」に選出されたことがあるそうで、規模やコンセプトは規格外です。

Bến Xe Suối Tiên駅からの距離 2.8km(徒歩約10分)
住所 120 Xa Lộ Hà Nội, TP.Thủ Đức, TP.Hồ Chí Minh

ホーチミンメトロについて:まとめ

ホーチミン市民待望のホーチミンメトロ。市内を走る地下鉄の運行が始まったことで、ベトナム中の注目が集まり、とても賑わっています。バイク文化のベトナムですが、今後少しずつ市民にも馴染んでいくことが予想されます。路線が増えるにつれてこれから益々便利になることでしょう。

この記事が皆様のホーチミンライフのお役に立てば幸いです。

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