​​ハノイ・ダナン・ホーチミンの違いを現地在住者が解説

ベトナム現地生活情報

この記事では、ベトナムの代表的な3都市の違いをざっくりと知りたい、という人向けに解説します。

旅行やベトナム転職を考える中で、すでにオンラインやSNSでの検索をされているかと思います。
ただ、色々な情報を得ると、どこまで調べれば十分なのか?と感じる事もあるでしょう。

そこで今回は、旅行やベトナム転職を検討中によくある疑問に答える内容をお届けします。

以下のような疑問を持っている人に最適です。

  • 「旅行の行き先を決める前に、3都市の概要を頭に入れたい」
  • 「具体的なツアーや名物を知る前に、3都市の違いを抑えておきたい」
  • 「ベトナムへの転職に興味があるので、はじめに代表的な都市の特徴をインプットしたい」
  • 「在住者だからこそ知っている、生の情報を教えて欲しい」

尚、筆者はベトナム現地に住み、働いています。
実際に在住するからこそ分かる情報も盛り込んで解説します。

本記事を読むことで、ベトナム旅行や転職の情報収集に必要な、基本知識が手に入るでしょう。
今後の細かい情報収集がはかどる内容をお届けします。

ホーチミンの特徴

まずはベトナム南部の都市、ホーチミンの特徴を解説します。
特徴は以下の2つです。

  • ベトナム最大人口を抱える経済都市
  • 外国人向けエリアやコミュニティが豊富

ベトナム最大人口を抱える経済都市

1つ目は、ベトナム最大の人口を抱える経済都市であることです。

ホーチミンは2022年時点で人口約900万人と、ベトナム最多の人口を抱えています。
人口密度も非常に高く、現地人の話によれば、当初ホーチミンは20万人向けに計画されたとのこと。
その900万人の多くは、ベトナム全土からの移住者です。

その人口規模から、あらゆる産業が発展し、経済的に重要な都市として位置付けられています。
現地の日本人の間では、ホーチミンは日本の大阪のようだ、とも言われています。

あらゆる産業が存在しますが、代表的な産業は、金融、製造、貿易、ITです。
海外企業の進出も活発で、ベトナムにおける本社を、ホーチミンに設ける企業も多く見受けられるほど。

日本企業の進出数もベトナム最多で、2021年12月時点では1052社です。
因みに、韓国企業数約9,000社と、9倍の規模を誇ります。

このように、ホーチミンはベトナム最大の人口を誇る経済都市、ということが分かります。

外国人に住みやすい環境

2つ目は、外国人に住みやすい環境、という点です。

1つ目で述べたように、ホーチミンには多くの外国企業が進出しています。
そのため、外国人在住者も豊富で、外国人が集まるエリアやコミュニティも発展しているのです。

中心部の1区には、外国人向けのレストランが多く立ち並び、外国人をターゲットにしたホテルやアパートが多く集まっています。
実際に1区を歩くと、欧米やインドの在住者や旅行者が多く、現地人よりもたくさんすれ違うほどです。

日本人街も発展しており、1区のレタントン通りビンタイン区のファンビッチャン通りの2つがあります。
これらのエリアには、日本食レストランやバー、スーパー、コンビニ、日本人向けアパートが集まっており、日本と変わらない環境で生活ができます。

また、5・10・11区には中華街、7区には韓国人街と、他の外国人が集まる場所も見受けられます。

このように、外国人が集まるエリアの存在により、外国人が生活しやすい環境が整っていると言えるでしょう。

ハノイの特徴

続いて、ハノイの特徴を解説します。
ハノイの特徴は以下の2つです。

  • ベトナムの首都
  • 伝統と近代的な雰囲気が共存

順番に解説していきます。

ベトナムの首都

特徴1つ目は、ハノイはベトナムの首都である、という点です。

政治機能を担う政府機関が多く位置しており、広く整備された道路に立派な建物が並びます。
観光名所でもあるホーチミン廟の付近には、国会や各省庁の建物が並びます。

この首都という特徴は、人々の気質にも影響しています。

ベトナムの首都となったのは1945年ですが、国のルーツは1009年に李太祖(リ・タイト)が建国した李王朝です。

ベトナムは、中国など、周辺国からの侵略を多く受けてきましたが、このハノイの地だけは約1000年間一貫してベトナムが守ってきました。

したがって、ハノイ出身の人々と話すと、1000年間守ってきた首都に住んでいる、という誇りを持っている人に多く出会います。

筆者も、生まれ育ちがハノイの友人たちから、「ベトナムの中で、最もベトナムらしい場所はハノイだよ。」と何度も聞きます。

ハノイの「首都」という特徴は、街の雰囲気や人々の性格にも影響を与えています。

伝統と近代的な雰囲気が共存

2つ目の特徴は、伝統と近代的な雰囲気が共存していることです。

伝統的な雰囲気が感じられるのは、旧市街とタンロン遺跡の周辺です。
ハノイの中心部における代表的な3つのエリアの内、王朝時代の市場と住宅地であった旧市街や、旧政府が位置していたタンロン遺跡周辺には、今も伝統的な建物が残っています

一方、他のエリアでは、近代的な開発が進んでいます。
王朝時代の外国人居住区であったフレンチクオーターや、西湖(ホータイ)周辺などには、高層ビルや大規模なアパートが立ち並びます。

食事面でも、路上にプラスチック椅子を並べて食べるフォーやブンチャーもあれば、その横にはミシュランで星を獲得するような高級レストランが混在する、という場所ばかりです。

この伝統と近代の融合した雰囲気は、他の都市にはないハノイの特徴と言えます。

ダナンの特徴

3つ目にダナンの特徴を解説します。
特徴は以下の2つです。

  • 人口第3位の観光、IT、工業都市
  • 海に面したのどかな雰囲気と過ごしやすい気候

人口第3位の観光、IT、工業都市

ダナンの特徴1つ目は、人口第3位のIT、工業、観光都市という点です。

2019年時点で約113万人の人口を抱える、ベトナム第3位の都市であるダナンには、観光のイメージを持つ人も多いかと思います。

海や山、付近に古都フエとホイアンという観光名所を持つことから、2023年の観光客数は740万人と、コロナ禍前の2019年の93%水準まで回復したほどです。
日本からの直行便もあるため、日本人にとっても、より身近な観光地となりつつあります。

このように観光のイメージが強いダナンですが、ITと工業系企業が集まる産業都市でもあります。

特にITについては、ホーチミンやハノイと比較すると安価な人件費と、ダナン工科大学を始めとした優秀な人材の存在から、ベトナム系、外国系問わず、IT企業が多く進出する場所なのです。
ベトナム最大規模のIT企業FPTも、2005年から進出していたほどです。

工業についても、日本の大手企業であるマブチモーターやフジクラが工場を設けるなど、工業都市として発達しています。

このように、ダナンはベトナム第3位の人口を持ち、産業として観光、IT、工業を持つ都市なのです。

海に面したのどかな雰囲気と過ごしやすい気候

2つ目の特徴は、海に面したのどかな雰囲気と過ごしやすい気候です。

目の前が海に面したダナンは、海岸線にビーチやリゾートホテルが多く立ち並びます。
また、ホーチミンやハノイに比べると、道路が広く敷かれています。
ベトナムと言えばバイクや車の渋滞のイメージがありますが、広々としたダナンの道路では、ホーチミンやハノイほどの渋滞はめったに起こりません。

また、気候は平均気温が25度と過ごしやすく1年の内、1月と12月を除けば海に入れるほどの気候です。

この雰囲気と気候から、ダナンの人々の性格も穏やかであり、ベトナム全土の中で最も優しい人が多い、と評価するベトナム現地の人もいる程です。

近年は外国人の移住先としても人気が高まっており、日本人の中でも、飲食店などをダナンから起業した方々もいます。

穏やかな雰囲気と過ごしやすい気候が、ダナンの大きな特徴の1つと言えるでしょう。

【転職者向け】3都市の生活費比較

ここで、ベトナム転職を検討している人向けに、ホーチミン、ハノイ、ダナンの生活費を比較してみましょう。

ホーチミン・ハノイ・ダナンにおける1か月の生活費
  ホーチミン ハノイ ダナン
家賃 600万~1800万VND 600万~2400万VND 550万~1100万VND
食費 600万~1000万VND 600万~1000万VND 430万~970万VND
交通費 やや高め やや高め 安い

ご覧の通り、ホーチミンハノイ同じくらいの水準で、ダナンやや低めとなっています。

また、日本と比べると、安価に済ませることできますし、上限を見れば日本より高めとなっています

よって、3都市に住む際には、日本よりも生活費を下げることも出来ると同時に、日本同等かそれ以上の水準で生活することもできる、選択肢の豊富な国と考えることもできるでしょう。

まとめ

ここまで、ベトナムの代表的な3都市、ホーチミン、ハノイ、ダナンの概要を見てきました。

今回の記事で3都市の概要を理解し、旅行や転職のためのリサーチに役立てていただければ幸いです。

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