ベトナムに薬を持ち込むことはできる? | 用意しておくと良い常備薬

ベトナム現地生活情報

ベトナムに住む日本人にとって、医療の面での心配はつきもの。

医療面での差を感じたときに、日本はやはり先進国なんだなと強く感じる筆者です。

ベトナムは近年、目覚ましい成長をしている国の一つですが、医療面ではまだまだ先進国ほどまで進んでいません。
救急車は呼んでも、そんなにすぐは来てくれませんし、日本語や英語で対応できる病院がたくさんあるわけでもありません。

そんなとき、日本の薬が手元にあると非常に安心ですよね。

ベトナムにも薬局はあちこちにありますが、薬の種類や名称は日本と全く違うため、なかなか自分の力だけで購入するのは難しいと思います。
また、種類によっては日本より高価な場合もあります。

日系のドラッグストアも、近年ベトナムに進出しているので、ベトナムで日本の医薬品を入手することも一部可能です。
ただし、価格は日本で購入するよりも高価ですので、可能な限り日本からの持ち込みがおすすめです。

今回は、日本からベトナムに渡航する際に、薬の持ち込みをしようか迷っている方に向けて、注意点と持ち込みおすすめの薬一覧をご紹介します。

ベトナムと日本の薬の違い

日本では、医薬品は医師の処方箋が必要なものと、ドラッグストアで購入できるものがあります。

しかし、ベトナムでは日本で処方箋が必要な種類の薬も全てドラッグストアで個人的に購入することができます。

出典:GoogleMapより ベトナム最大手ドラッグストアチェーンPharmacity

そのため、ベトナム人は病気に罹っても病院に行かず、自分で薬局に行き、薬を買って治そうとすることが多いようです。
これは、ベトナム国内でも、間違った薬の服用など含めて問題となっています。

日本で販売されている薬は、そのほとんどが日本の製薬会社の生産するものです。
しかし、ベトナム国内で流通する医薬品の内、ベトナム産の市場シェアは僅か48%しかないと言われています。(2016年時点)
ベトナムの医薬品市場の過半数は外国産(主にフランス、インド、韓国、ドイツ、スイスなど)が占めており、ベトナムの医薬品業界は完全に外資製薬会社に依存している状況であると言えます。

筆者もハノイに住んで3年、何度か病院にかかったことがありますが、今まで処方された薬はほとんどがフランスやドイツ産のものでした。
そのため、錠剤などは非常に大きく、服用が難しいと感じたこともあります。

ベトナムに薬を持ち込む場合

ベトナムに日本の薬を持ち込もうと思うとき、1番気になるのは空港で没収されないかということだと思います。

結論から言いますと、ベトナムへの持ち込み禁止品目に医薬品は含まれていませんので、没収されることはありません。
ベトナムへの医薬品の持ち込みは可能です。

日本からベトナムへの渡航の際に持ち込みが禁止されているのは以下の品目です。

  • ・植物類(種子等も含む)、植物製品、果物
  • ・きのこ類(塩漬け、缶詰、冷凍、酵母を除く)
  • ・カイコ、繭
  • ・昆虫、真菌、バクテリア、ウイルス
  • ・動物加工食品(生鮮食品)

ただし、持ち込みの量が大量になると、営業目的ではないかと疑われる可能性があります。
必要以上の量の持ち込みは避けた方が良いでしょう。

また薬は必ずパッケージごと持ち込みましょう。
万が一成分を問われたときに、パッケージがないと成分を確認することができません。

処方箋の必要な薬に関しても、問題はないはずですが、どうしても心配な場合には「薬剤証明書」を医師に発行してもらって、薬と一緒に持ち込むことがおすすめです。
これがあると、持ち込みの際以外にも、ベトナムで病院に罹る際に役立ちます。

筆者の子供はアレルギーがあり、エピペンというアドレナリン自己注射薬を日本から持ち込んでいますが、持ち込む際には必ず英語表記の薬剤証明書を取得するようにしています。

注射型なので、万が一検疫で指摘された際にもしっかり答えられるようにしたい為と、いざという緊急時に役立つと思うからです。

郵送で、処方箋付きの医薬品をベトナムに送ることは禁止されているようで、郵送会社に断られた経験がありますので、手荷物や自身の渡航時の預け荷物で持ち運ぶのがやはり安心でしょう。

ベトナムに持ち込むと良い常備薬

繰り返しになりますが、ベトナムでも医薬品は手に入るとはいえ、なかなか自分で薬局に行って購入するのはハードルが高いもの。
病院に毎回出向くのも大変で、医療費も膨大になってしまいます。

そんな時、日本で慣れ親しんだ薬が手元にあると、自宅療養が簡単にできて安心ですよね。

以下では、日本に持ち込むと役立つ医薬品をご紹介します。

整腸薬・胃薬

ベトナムに渡航してきて、多くの人が一番最初に見舞われるのは胃腸系の不調だと思います。

やはり、水が合わないことも大きいですが、レストランやトイレなどの衛生状態は日本に比べると行き届いていない部分が多いです。
そのため、胃腸炎やその他ウイルスに罹り、胃腸の具合を崩す方が多くいるのです。

あまりにもひどい場合には、やはり現地の病院で治療を受けることがベストですが、軽い症状の場合は日本の医薬品が役立つ場合もあります。

ウイルス性下痢の場合、下痢止めで無理に止めずに、全ての菌を排出することが望まれる場合もありますので、症状がひどい場合や高熱を伴う場合には病院に行くようにしましょう。

胃腸薬・整腸薬は必ず多めに持ち込むようにしましょう。

引用:大幸薬品株式会社 公式ホームページより

風邪薬

ベトナムは温暖な気候なので、風邪をひくことは少ないと思う方も多いのではないでしょうか。

しかし、北部は特にですが、1日の気温差や毎日の気温差は非常に大きい季節もあります。
ハノイに住む筆者は、子供たちに着せる服を悩むくらいに、天候と気温が読めない日があります。
雨が降って気温がぐっと下がる時も多くありますし、昨日は40度を超えていたのに今日は20度代なんてこともあります。

気温差によって風邪をひきやすくなりますし、ハノイでもインフルエンザや流行性の風邪に罹る可能性があります。

日本と同じように風邪はひくものだという意識で、医薬品を必ず持参しましょう。

引用:第一三共ヘルスケア公式ホームページより

引用:日新薬品工業株式会社 公式ホームページより

総合風邪薬、子供用風邪薬(必要な方)、喉によく効く風邪薬、トローチなどがあると安心です。

湿布

異国の地で生活すると、日々ストレスが溜まり、疲れてくるかと思います。

ときには肩こりや腰痛に悩まされることもあったり、ぶつけたりして、体の一部に痛みが出ることもあるでしょう。
そんなときに湿布や貼る痛み止めがあるととても役立ちます。

肌に張るような薬は海外製だと非常に強い粘着力だったり、肌荒れを引き起こす場合があります。
日本から持っていくのが安心できるでしょう。

アレルギー鼻炎薬

ベトナムはバイクがとてもたくさん走っており、中国からの工業大気汚染も相まって、空気汚染の問題が非常に深刻になっています。
特に北部の冬季は世界的にも問題になっており、空気が非常に悪い日が続きます。

筆者は化学物質へのアレルギーがある為、この時期は少し外に出るのも辛く、鼻炎や涙がひどくなります。
特に夜間にひどくなることが多いので、そんなときに日本から持ってきたアレルギー薬がとても役立っています。

おそらく、ベトナムに住むとほとんどの人が空気汚染による鼻炎、喉の不調に見舞われることと思います。

やはりこの場合も、長く続いたり症状のひどいときには現地の病院に行くのが安心です。
ただ、病院の開いていない時間や少しの症状であれば、持ち込んだ日本の薬で治療が可能ですので、アレルギー鼻炎薬も持ち込むようにしましょう。

引用:エスエス製薬 公式ホームページより

ベトナムの病院に行くと、鼻炎スプレーを処方されることが多いですが、それを鼻にシュッとすることでも非常にスッキリします。

乗り物酔いどめ

ベトナムの車やバスは日本に比べて非常に揺れます。
それは、道の整備がまだまだ綺麗にされていない為で、車自体の性能もあまり良くないことが原因として考えられます。

最初は特に揺れに慣れずに、酔ってしまうことが多いでしょう。

また、ベトナム特有の暑さも相まって、乗り物酔いをする頻度は上がるかと思います。

子供たちは特に乗り物酔いがひどくなる可能性がありますので、かならず乗り物酔いの薬を日本から持参するようにしましょう。

病院に行くほどではない、乗り物酔いのような症状は日本の市販薬で解決するのがベストです。

引用:エーザイ 公式ホームページより

目薬

前の部分でも述べましたが、ベトナムでは排気ガスや大気汚染によって、目が痛くなることが多々あります。
そんな時のために目薬を日本から持参しておくことをお勧めします。

目の中の汚れを流すようなタイプはもちろん、抗菌タイプも持参しておくと安心でしょう。
ベトナムではものもらい・結膜炎が非常に流行する季節があります。

子供たちのプールで流行することも多いので、子供のいる家庭は子供用の準備も忘れずに持ち込みましょう。

引用:ロート製薬 公式ホームページより

ガーゼ・絆創膏・消毒薬

ベトナムでは、破傷風や狂犬病など、日本で流行が抑えられている疾患に罹る可能性もあります。

ひどく転んだり、動物に噛まれたり、ひっかかれたりしたときには、念の為必ず病院に行きましょう。

病院に行くまでの間にしっかりと消毒し、患部を清潔に保つことも非常に重要です。

そんな時、手元に日本のガーゼや絆創膏、消毒薬があると安心です。
これらはもちろんベトナムでも手に入りますが、日本製の性能は特に高いので、日本からの持ち込みをお勧めします。

特にベトナムの絆創膏は粘着力が強すぎたり、大きさのバリエーションがありません。

必ず日本から持ち込むようにしましょう。

引用:ニチバン株式会社 公式ホームページより

まとめ

日本からの薬の持ち込みについてご紹介しました。

ベトナムに薬を持ち込むことは可能ですが、量には気をつけましょう。
多すぎると転売を疑われる可能性があります。

また、持ち込む際には必ずパッケージのまま、医師から処方された薬で心配な場合には「薬剤証明書」を英文でつけておくようにしましょう。

ベトナムでも医薬品を手に入れることは可能ですが、よく罹りやすい病気や怪我の薬は日本から持ち込んでおくのが安心です。
上記でリストアップした医薬品は最低限持ち込むようにしましょう。

今回の情報が、ベトナムに渡航を考えている方、医薬品や医療面が心配な方にとって役立つものになっていましたら、とても嬉しく思います。

現地在住ライター紹介
この記事を書いた人
ベトスカウト応援スタッフ「Kana」

現在は夫の帯同でベトナム・ハノイ(ホータイ区)に在住。3児(小学生~2歳)のママ。
大阪市立大学商学部を卒業後、大手百貨店総合職で勤務。WEBライター歴6年。

2018年より経営したキッズスペース兼ワークショップスペースを2023年にM&Aにて売却。

好奇心旺盛で多趣味なことには自信あり。
ベトナム、ハノイの情報を主婦目線、ママ目線でお届けしていきます!

ベトスカウト応援スタッフ「Kana」をフォローする
ベトナム現地生活情報
VietScout(ベトスカウト)
タイトルとURLをコピーしました