ベトナムでのキャリアを成功させるためには、良い面だけでなくマイナス面も理解しておくと、事前に心構えができ、不安もなくなるでしょう。
ベトナム生活は日本と比べて何が悪い?デメリットは?
本記事では、現地採用としてベトナムで働き、来越一年以内で食中毒で2回入院、インフルエンザ、気管支炎、デング熱、犬に噛まれるなどベトナムの洗礼を浴びた筆者が、ベトナム生活のデメリットについて忖度無しで解説します。
私自身が転職前に知りたかった情報をはじめ、日々の生活での対策や心構えなどポイントにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
ベトナム転職・生活のデメリット12個と対策
1.娯楽が少ない
ベトナムの特に地方都市では、日本や西洋諸国のような多様な娯楽施設やレジャー活動が限られています。大都市では多少の選択肢がありますが、地方に行くと映画館、レストラン、文化的なイベントなどのオプションが非常に限られてきます。カフェやマッサージ施設は多いですが、温泉やサウナなど癒し施設も日本よりは少ないです。
このため、趣味や娯楽の面での満足度が低下する可能性があり、特に国際的なエンターテイメントに慣れている人にとっては、退屈を感じることがあるかもしれません。
2.野良犬、放し飼いの犬が怖い
最初からすみません。。筆者はベトナムの有料植物園で犬に噛まれました。
私自身は日本の実家では長年犬を飼い、犬には慣れていたつもりが、噛まれてからは犬不信になります。
ベトナムでは野良犬や放し飼いの犬も多く、狂犬病のワクチン接種率も50%未満。狂犬病は発症したら致死率100%と言われています。気を付けましょう。
街で放し飼いされている犬を見ると怖く、安心して散歩ができません。
3.現地採用で働くと給与が下がるケースが多い
ベトナムでの転職は、特に高度な専門職や駐在員でもない限り、日本で勤務していた頃に比べて給与が下がる可能性が高いです。しかし、低い生活コストを考慮すれば、生活のバランスは取れます。
筆者の周りの現地採用で働ている人たちの話を聞くと、給与は日本時代より下がるも、貯蓄は十分できているという20代~40代の方は多いです。
独身の方はともかく、家庭持ちでお子さんの養育を考える必要がある場合は注意が必要です。
日本のような幼児無償化制度はなく、現地日本人学校も相応の費用がかかり、一定レベル以上の教育を受けさせる場合は日本より教育費が高くなるでしょう。
4.言語が違う:日本語が通じない
当たり前ですが、日本語は日系企業の職場以外は通じません。
ハノイやホーチミンの観光地では英語が通じるケースが多いですが、タクシーや日常生活では簡単なベトナム語ができた方が何かと便利です。
特に地方ではベトナム語無しでは生活に苦労する可能性があります。
5.夜遅くのカラオケ大会(騒音)で悩むかもしれない
ベトナムの文化は、日本や西洋諸国とは違い、公共の場における行動様式やビジネスシーンでの礼節も大きく異なります。たとえば、ベトナムでは夜遅くまで続くカラオケ大会が一般的で、隣人の騒音に悩む日本人もいます。子供たちがマンションなどの共有スペースでサッカーやバトミントンを楽しむなど、自由奔放です。ベトナムでは、子どもは自由に育つことが良いとされているため、たとえ大声で騒いだとしても特に止めようとしません。
このような文化的な違いに適応できない場合、ストレスや不快感を覚えることがあるかもしれません。
6.労働条件が違う:祝日(休日)は少ない
ベトナムでの労働条件は、日本とは異なります。祝日も年間計10日ほど(日本は年間15~16日ほど)と少ないです。
べトナム特有の労働条件(試用期間2ヵ月など)や、福利厚生も日本とは異なり、時に不安を感じます。日本人がベトナムの現地採用で働く場合は、民間医療保険に会社が加入しているか否か、毎日の通勤方法(タクシーカードやGrab代は会社負担かどうか)など、事前に確認しておきましょう。
7.法的・行政手続きの複雑さ
ベトナムでのビザや労働許可証の取得、税金の支払いなどの法的・行政手続きは、複雑で時間を要するプロセスです。ビザの取得は比較的容易ですが、滞在期間には制限があり、特に長期滞在やビジネス目的の場合、適切なビザの更新が定期的に必要です。
8.生活の質の変化(人によってはメリットかも)
ベトナム人も全体的に裕福になっており、大体の日本製品はベトナムのスーパーやショッピングモールで購入できます。しかし、こだわりの強い化粧品や日用品など使用されている方は、渡航時にまとめて持参しましょう。筆者の家では、妻の化粧品、鼻うがいの薬、化学調味料無添加の醤油などは毎回帰国時に買い溜めしています。
生活コストに関しては、ハノイやホーチミンでは家賃が高騰しつつありますが、日本よりは全然安いです。ベトナムではプールやジム付き、掃除サービスや家具家電付き物件が一般的で、タイやマレーシアと比較すると、コンドミニアム価格はやや高いです。
ホーチミンやハノイ市内では家賃に月6万円(450USD)以上を払わないと、日本人感覚では、快適な住まいを見つけることが難しいかもしれません。安すぎる場所は衛生・セキュリティ面で問題があることもありますので注意が必要でしょう。
駐在で赴任している方は手当も多く、日本ではなかなか経験できない贅沢な生活をしている人も多いのも事実です。
9.医療サービスが限定されている
医療サービスは地域によって大きく異なります。大都市では、日系クリニックやベトナム大手病院などの高品質な医療が利用できますが、地方では設備が限られます。また、交通事情の悪さから救急車が機能していないのが現状です。緊急時や長期的な健康管理には、アクセス可能な医療サービスを事前に確認することが大切です。
10.交通の安全性と混雑
ベトナムの交通は、特に大都市では混雑しており、安全に注意が必要です。ハノイやホーチミンでは交通渋滞が日常的です。ベトナムでは50cc以下のバイクは免許を取らずに運転ができるため、交通ルールを無視した手荒な運転をするドライバーもいます。交通事故のリスクも高いため、移動手段の選択や時間管理には慎重になったほうが良いでしょう。
11.大気汚染や歩きタバコの常習性
エリア・時期にもよりますが、ハノイの冬季シーズンは特に大気汚染が深刻になりがちで、マスク無しで街中を歩くと喉が痛くなります。一方、地方や、同じ都市部であってもホーチミンやダナンは比較的良好です。また、ハノイも夏季シーズンであればスコールの大雨で一掃されることも多く、そこまで気になりません。
小さいお子さんがいる方や、気管支が弱い方にはハノイではなくホーチミンやダナンのほうが住みやすいかもしれません。
かくいう筆者は1歳の娘を持つ親ですが、仕事の関係でハノイに住んでいます。
ハノイの大気汚染対策についてまとめた記事(ハノイの空気は世界一汚い?自分でできる大気汚染対策:こちら)もあるので、参考にしてください。
また、ベトナムは喫煙に関するマナー意識があまりありません。
路上や飲食店での喫煙は当たり前、ひどい時にはエレベーター内で喫煙している人も。
喫煙者の方からすると、吸う場所を選ばないのでむしろメリットに近いかもしれませんが、受動喫煙のリスクはとても高いので注意が必要です。
12.想定外のハプニングが起こる
ベトナムは総じて住みやすいですが、それでも日本人にとっては「外国」であることに変わりありません。
治安は諸外国と比べ良いベトナムですが、ひったくりやぼったくりに合わないよう、最低限の注意は払いましょう。
食中毒や犬に噛まれる、デング熱などを経験される方もおり(※筆者も全て経験しました…)、良い意味で緊張感をもって危機管理能力を高くしておくことが重要です。
まとめ:デメリット以上のベトナムの魅力を探そう
ベトナムは日本と比べるとまだまだ全体的に「成長途上」にあり、それゆえの不便も感じるかもしれません。
しかし、ベトナムには経済成長する国ならではの活気、成長の伸びしろがあるからこその面白さがあります。
日本とは違う新しい世界を楽しめる方、雑多な街を楽しめる方にとっては、デメリット以上の魅力を感じてもらえるでしょう。
ベトナムで人一番洗礼を浴びた筆者ですが、今ではベトナム生活が楽しくて仕方ありません。
▼べトナム生活の魅力・メリット記事はこちら
https://vietscout.jp/article/merit-demerit/
少しの不便さも面白がれるようなマインド、おおらかさを持って、ベトナムライフを満喫していきましょう。