ベトナム在住者が明かす!高金利銀行の選び方と金利生活の実態

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ベトナムでは、近年の経済成長に伴い銀行の金利は他国と比較して高い水準を保っており、多くの投資家や預金者にとって魅力的な選択肢となっています。

2024年4月時点でベトナム国内の銀行では、定期預金の金利が年間4%から5%程度で提供されています。

銀行金利は日常生活において大きな影響を及ぼしています。

例えば、金利が高いと、ローンや借入に対する利息負担が増えるため、家を購入する際や、不動産投資やビジネスローンを考える際には慎重な計画が求められます。

一方で、高金利の恩恵として、定期預金による収入増加が挙げられます。これにより、生活水準の向上や必要経費に対する負担が軽減されることが期待されます。

銀行金利が高いほど、貯金したお金から得られる利息は多くなります。それで貯蓄のある方は、高金利かつ物価の安いベトナムなら金利のみでの生活も可能ではないか、と考える人もいます。

これが金利生活です。

ベトナム政府の政策や中央銀行の金利調整によって、金利は変動することがあります。しかし、日本ではそもそも預金で資産を増やすことは実質不可能なので、ベトナムの金利はまだまだ魅力的ですよね。

この記事ではなぜベトナムの金利が良いのか、金利だけで生活することは可能なのかを解説していきます。

ベトナムの銀行金利の現状

現地の銀行金利の比較

一般的に、国営銀行は安定した金利を提供しており、民間銀行はやや高い金利を提供する傾向にあります。

国営銀行には、Vietcombank(べトコムバンク)、BIDV(ベトナム投資開発銀行)、Agribank(アグリバンク)、Vietinbank(べッティンバンク)があります。6ヶ月までは民間銀行より低い金利ですが、12ヶ月では民間銀行より高い金利となっています。

(2024年4月現在) 定期預金金利(年率)
銀行名 1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 12ヶ月
Vietcombank 1.6% 1.9% 2.9% 4.6%
Vietinbank 1.7% 2.0% 3.0% 4.7%
BIDV 1.7% 2.0% 3.0% 4.7%
Agri bank 1.6% 1.9% 3.0% 4.7%
Techombank 2.15% 2.55% 3.55% 4.45%
VP Bank 2.3% 2.6% 4.1% 4.4%
ACB Bank 2.1% 2.5% 3.3% 4.3%
コラム:銀行金利って何?
銀行金利とは、銀行が預金者に支払う利息のことです。金利は通常 年率で表示され、パーセント(%)で表されます。例えば、銀行が1年間で5%の金利を提供している場合、預金者は100ドルごとに5ドルの利息を受け取ります。

高金利の背景と経済状況

ベトナムの銀行金利が世界でもトップクラスに高い理由は、国の経済状況などいくつかあります。

1つ目に、ベトナム経済が過去数十年にわたり安定した成長を遂げており、特に外国直接投資(FDI)の流入が増加していることが挙げられます。

これにより、銀行はより多くの資金を集める必要があり、競争を促進するために高い金利を提供しています。

日本とベトナムの実質経済成長率を比較してみると、2023年においては前年対比でベトナムが5.05%、日本が1.9%です。成長率に約3倍近くの開きがあります。

2つ目に挙げられる理由は、ンフレ率の管理と経済成長のバランスを取るために、中央銀行が金利を調整していることです。

ベトナムのインフレ率は比較的低く抑えられているものの、地域によっては物価上昇が見られることから、金利はインフレを上回る水準で設定されています。

3つ目に、ベトナム政府は金融安定を維持するために、銀行のリスク管理を強化し、健全な金融システムの構築を促進していることが挙げられます。

4つ目に、ベトナムの通貨ドンが米ドルに対して比較的安定していることが挙げられます。

通貨が安定していると、投資家はベトナムへの投資意欲が高まり、資金が流入します。資金が流入すると、通貨の価値が上昇し、インフレが進む可能性があります。これも、中央銀行が金利を引き上げ、それに伴い銀行の金利が高くなる要因となります。

金利生活の可能性

定期預金と金利生活

金利生活とは、銀行に大きな金額を預けることで、その利息だけで生活する、または日常の食費や交通費などの基本的な生活費の一部をカバーすることです。

ベトナムにおける定期預金の金利は、現地の生活費と比較すると大きな価値があります

例えば、年間4〜5%の金利を提供する銀行に10億ドンを預けると、年間4〜5千万ドンの利息収入が得られます。物価が日本の約3分の1と言われるベトナムなら、この金額は日常の食費や交通費などの基本的な生活費の一部をカバーすることができます。

理論的には、さらに大きな金利で預けることができれば、その利息だけで生活することも不可能ではありません。

このように、銀行金利を賢く利用することで、お金を貯め、投資するチャンスが増え、人生を豊かにすることができます。

金利収入での生活は現実的か?

ベトナムでの高金利は、多くの駐在員や長期滞在者にとって魅力的です。

ある駐在員は実際にベトナムでは金利収入で、家賃や日々の支出を賄い、余った資金で旅行を楽しんだり、趣味として投資をしたりしています。

しかし、外国人の定期預金利用者は意外に少ないのが現状です。定期預金を躊躇する理由は下記のようなものです。

  • ● いつまで駐在しているのか分からない
  • ● 口座開設手続きが面倒そう
  • ● 新興国であり社会主義国ベトナムのリスクやルール
  • ● VISA有効期限までしか定期預金ができない
  • ● 日本帰国後の現金持ち出しが難しい
  • ● 海外送金にかかる手数料

外国人が銀行口座を開設し定期預金をするためには、12ヶ月以上の滞在許可が必要であり、労働契約書や一時滞在許可書(TRC)の提示が必要になり、かつvisaの有効期限までしか預金できないなど制限があります。

さらに、国外への資産の移動には制限があるため、長期的な計画が必要です。

ベトナムではマネーロンダリング防止のため、正当な理由がない場合は5,000米ドル以上の外資の持ち出しができません。

外貨の持出規制が厳しく、1回の出国時に携帯できる所持金は5,000米ドルまでです。5,000米ドルを超える額をベトナム国外に持ち出す場合、銀行から許可証の発行してもらい、出国の際に携行する必要があります。手数料はかかりますが、銀行に依頼を行い国際送金で日本へ持ち帰るのがおすすめです。

金利収入のために銀行預金をする場合、ベトナムならではのリスクやルールを考慮する必要がありそうです。

銀行選びのポイント

ベトナムで銀行を選ぶ際には、金利だけでなく、銀行の安定性やサービスの質も重要です。

金利が高い銀行が必ずしも最良の選択とは限りません。銀行の信頼性、顧客サービス、オンラインバンキングの使い勝手など、総合的な視点で検討することが肝心です。

銀行の信頼性

ベトナムの銀行は、その信頼性において大きな差があります。

信頼性という意味では、国営銀行は安定性が高いとされています。国営銀行には、Vietcombank、BIDV、Agribank、Vietinbankがあります。

サービスの質などその他の選定基準

ベトナムで銀行を選ぶ際に考慮する他の要素として、銀行の提供するサービスの質などその他の基準も考慮します。

例えば、顧客サービスに関しては、銀行によっては英語対応が可能なスタッフがいる場合もあり、外国人にとってはこの点が重要になります。

インターネットバンキングから定期預金口座を開設できるかどうかも利便性に大きく影響します。

投資に関するアドバイスなども重要な選定基準となります。

適切な銀行を選ぶには、これらの要素を総合的に考慮することが不可欠です。適切な銀行を選ぶことで、利便性・利益を最大化することが可能です。

金利変動への対応

金利変動の要因と対策

ベトナムの金利は、中長期的には国内外の経済政策や市場の動向によって影響を受けます。

現在の中央銀行の金利は4.5%で安定していますが、将来的には経済成長率、インフレ率、政府の財政政策などによって変動する可能性があります。

ベトナムの金利変動は、世界経済の減速、商品価格の高騰、通貨ドンの価値変動など、多くの要因によっても引き起こされます。これらの要因を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

例えば、インフレが予想される場合は、インフレに強い資産への投資を検討することが有効です。また、為替リスクを管理するために、外貨預金やヘッジ戦略を利用することも一つの方法です。

長期的な金利予測を行う際には、これらの経済指標を注視し、柔軟な金融戦略を立てることが推奨されます

長期的な金利予測

2023年以降、ベトナムの銀行金利は低下傾向にあり、今後しばらく銀行金利が上がることは難しいと予想されています。

またインフレ状態でもあるためベトナム貨幣価値が不安定で、ベトナムドン建ての口座を開く場合は、為替によるリスクは考慮すべき問題となります。

まとめ

ベトナムの高い銀行金利はとても魅力的です。

しかし、新興国であり社会主義国でもあるベトナムならではのリスクやルールも存在します。

外国人が銀行口座を開設し定期預金をするためには、一時滞在許可書(TRC)の提示が必要になり、かつVISAの有効期限までしか預金できないなど制限があります。さらに、資産の国外への移動には制限があるため、長期的な計画が必要です。

資産運用のひとつとしてベトナムの銀行口座を開設する場合は、国の状況・経済などをしっかり把握したうえで行うことをおすすめします

各行によって細かい対応は違うので、預金の詳細については支店に行って直接話を聞くことをおすすめします。

この情報が皆様のベトナムライフのお役に立てば幸いです。

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